自衛隊が小学校で「出前授業」 24、25年度県内10市町で/ 2025年10月26日号

 戦争する部隊へと変質する自衛隊を小学校に招き、子どもたちに話を聞かせる「出前授業」に地域住民などから不安と抗議の声があがっています。「授業」は昨年度と今年度、10市町(表参照)で実施。「将来は自衛隊を志す子どもを育成することが狙いではないか」との懸念が強まっています


  自衛隊の「出前授業」は、県教育委員会が「学校支援メニュー(キャリア教育)」の一つとして各学校に紹介、仲立ちしています。多くの学校では、自衛官が▽自衛隊を志したきっかけ、▽自衛官になるには、▽働くうえでの喜び、などを講話。自衛隊車両を学校に持ち込んで子どもに触れさせ、応急担架をつくって人を運ぶ体験などもさせています。
 「授業」は学校が要請し、昨年度は県内8市町9校、今年度は4市4校と1特別支援学校で実施(県教委まとめ)。授業後、「自衛官になりたくなりました」「自衛隊のイベントに行こうと思います」「自衛隊はかっこいい」などと子どもたちが書いた感謝状を自衛隊に送った学校もあります。
 
■栗東市では

 こうした「出前授業」が栗東市立治田小学校でも15日に行われ、事前に知った地域住民らが抗議の声をあげました。
市民から驚きと心配の声が寄せられたとして、日本共産党栗東市議団(青木千尋、伊吹裕両議員)が10日、市教育長に中止を申し入れ。▽憲法と矛盾する恐れがある、▽子どもは暴力から守られ、自由な思想形成を保障されるべき、▽教育の中立性を脅かす、と訴えました。新日本婦人の会栗東支部も同日、「国防教育や隊員確保につながる」として、「授業」を行わないよう求める要望書を市教委に提出。同支部の大川満代さん(元小学校勤務)は「自衛隊の一面だけを小学生に植えつけることにならないか」と不安を訴えました。

―― 全文は紙面で

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