今週のイチオシ記事!

毎週の「滋賀民報」から編集部イチオシ記事をお届けします。
※記事本文については、一部割愛する場合があります

【滋賀民報 調査】県内4大学で学費値上げ。まだ上がる?!

2024年7月21日号 1面掲載

"無償化してほしいのに"
今年度に値上げした滋賀県内大学の学費表画像
今年度に値上げした滋賀県内大学の学費(2または4年間/円。PDF)
大学からは補助金増額を求める声

 大学や短大、専門学校の高すぎる学費が学生や家族らの大きな負担になっています。教育を受けることはすべての人に保障されている権利ですが、学費を理由に進学を諦める人は後を絶ちません。
 学費の値下げを求める声があがる中、県内の大学や短大では値上げが相次いでいることが「滋賀民報」の調査でわかりました(表参照)。大学からは、国に補助金配分などの改善を求める声が寄せられました。
 1970年と比べると、国立大学の授業料・入学金は50倍以上の81万7,800円。私立大学の平均額は120万円以上――。
 「滋賀民報」の調査は、県内の10大学、2短期大学、1専門職大学に過去3年間の学費などを聞き取り。その結果、昨年度に1私立短大、今年度は3私大(短大部含む)が授業料などを値上げしたことがわかりました。国公立大学(滋賀大学、滋賀医科大学、滋賀県立大学)は、文部科学省令で定められた標準額(授業料など)を徴収しており、今後の値上げについて聞くと、滋賀大と医大が「未定な部分が多々ある」などを理由に無回答。県立大は「検討していない」と答えました。
 大規模私立2大学は今年度、大幅に値上げ。立命館大学経済学部は4年間の学費総額が33万円以上も上がり、同大理工学部数理科学科では40万円増となりました。龍谷大学は理系・文系学部ともに4年間の学費が16万円増額。値上げについて立命館大は、コロナ対応や円安・物価高騰の中で経費削減などを続けてきたとした上で、「今後……… ◆続きは紙面で

"日米共同訓練中止を"、高島市で「あいば野大集会」

2024年7月14日号 1面掲載

"戦争準備やめよ"
「戦争準備の日米合同演習反対あいば野大集会」写真
炎天下、市内をデモ行進する「あいば野大集会」参加者(7日、高島市)
18日から米軍と陸自「戦闘訓練」。饗庭野(高島市)が"戦場"に

 陸上自衛隊が18日から、饗庭野演習場(高島市)を中心に国内5ヵ所で米陸軍と最大規模の実動訓練「オリエント・シールド24」を強行しようとしています。訓練のねらいは、自衛隊を米軍の指揮下により深く組み込み、"戦争する部隊"に変えること。訓練の中止を求めて「戦争準備の日米合同演習反対あいば野大集会」が7日、高島市内で開かれました。参加者は、沖縄県で相次いで発覚した米兵による少女暴行事件にも強く抗議しました。
 集会は、市民団体や労働組合でつくる「ふるさとをアメリカ軍に使わせない滋賀県連絡会」が主催し、県内外から330人が参加。
 髙岡光浩代表が開会あいさつした後、6年間に4度の重大事故が発生した饗庭野の危険性を、衆議院外務委員会で指摘した日本共産党の穀田恵二衆院議員(国対委員長)が情勢を報告。穀田氏は、住民犠牲を前提に県内外で大軍拡が進められ、自衛隊幹部が「靖国」の復活を主張していると告発し、「戦死することを前提とした自衛隊活動が、政治の戦前回帰と軌を一にして進んでいる」「戦争準備である軍事演習に『ノー』を」と力を込めました。
 集会後、参加者は市内をデモ行進。「米軍は饗庭野にくるな」「憲法9条を守れ」「自衛隊員を戦場に送るな」とシュプレヒコールしました。市内から参加した熊谷則子さん(79)は「演習場の中を生活道路が通り、近くには福祉施設も。実弾演習はやめてほしい」と話していました。

疑念噴出「大阪万博」遠足、"希望しない"過半数

2024年7月7日号 1面掲載

学校現場"「GO」出せない"
"不明なことが多すぎる"
会場建設中の夢洲(5月)写真
会場建設中の夢洲(ゆめしま)(5月)

 滋賀県が満4~18歳を招待するとして、学校単位での参加を進める「大阪・関西万博」。会場での事故や整備の遅れなど数々の問題が浮上する中、県の参加希望調査では、回答した学校の半数以上が「希望しない」と表明。
 先月18日、県が学校関係者向けに開いたオンライン説明会に参加した小学校教員は、「説明を聞いて、学校としての参加は断念した」と明かしました。
 県万博推進室のオンライン説明会は、県の委託を受けた業者が申込み方法や、現時点での開催に関する情報を各学校に提供し、"万博遠足"を促すのがねらい。参加した教員からは、ガス爆発事故への対策など安全性を問う声や、熱中症対策、昼食をとる場所が確保できるのか、などの質問があったと言います。
 教員の1人は説明会後、「パビリオンの内容は未定、会場の下見は開幕後(来年4月13日)の予定と。不明点が多すぎて、これでは"GO"が出せない」と話しました。学校などでは教育旅行の行き先が例年通りなら、数ヵ月前の下見でも間に合うのが通例。ところが万博はまったく未知の上、事故対応や災害時の孤立など、子どもの安全が保障されるのかさえ確認できていません。「県の情報を待っていたら、別の行き先の準備が間に合わなくなる」とも。別の教員は「万博は話題にも上がりません」と一蹴しました。
 「万博招待」に疑問や批判が強まる中、県は5月末から県内の小、中、高、特別支援学校などの計407校に、教育旅行としての参加希望を聞き取り。21日までに回答があった51校のうち、半数を超える27校が参加を希望しないと答えたことが、日本共産党の中山和行県議の議会質問(28日)で明らかになっています。

能登地震から半年。輪島・珠洲(すず)―取材班が見た、新たな苦難

2024年6月30日号 1面掲載

先行き見えず…迫られる「自立」
仮設に入っても…
輪島朝市の火災跡写真
輪島朝市の火災跡。近づくと今も焦げた臭いが(19日、輪島市)

 能登半島地震(1月1日)からまもなく半年。大きな被害を受けた石川県の輪島市や珠洲(すず)市などを19、20両日、取材しました。
 至る所に地震の爪痕が残り、家や生業を失った人たちは「先が見通せない」と沈痛な面持ちでした。建設が進む仮設住宅も"被災者の自立"が前提。支援は狭まり、被災者は新たな苦難に直面していました。
 今号と次号の2回にわたり、被災地の「今」を伝えます。(取材班)
 石川県内では仮設住宅4,828戸が完成し、入居が進んでいます。しかし住めるのは原則2年間(延長可)。
 輪島の仮設住宅で夫(69)と母(97)の3人で暮らす邑田(むらた)冨士子さん(67)は、150㎞ほど離れた片山津温泉に2次避難していました。「食事も出て、よくしてもらいました。でも、やっぱり輪島に」と帰郷。
 希望して入った仮設ですが、そこでの暮らしも苦労が絶えません。足が不自由な母のために車イス対応の仮設を希望していましたが、入居してみるとトイレや風呂に高い段差。手すりを設置してもらったものの「浴槽はすごい跨(またが)ないといけなくて、ばあちゃんは入れない」。こうした環境の急激な変化は、食事を作る・食べる気力も奪っていきます。
 震災後、初めて迎える夏。小学生と幼稚園児を育てる父親(50)は、「断熱もしっかりしていないから、夏は暑いんだろうな」と仮設住宅の天井を見上げました。
 仮設に入る前、テレビ、冷蔵庫、洗濯機は支給されると聞きました。ところが実際は用意されず、やむにやまれず洗濯機を購入したら、「3つのうちどれかを買ったら、ほかも自費で」と言われ、思わぬ出費に泣きました。「あると聞いていた家電がないという話は何軒も聞きましたよ」

「マイナ保険証」"中止の声を大きく"、大津で医師ら反対訴え

2024年6月23日号 1面掲載

"押しつけないで"
「保険証を残そう」と街頭で訴える県保険医協会写真
「保険証を残そう」と街頭で訴える県保険医協会(13日、大津市)
あの手この手で事実上の強制
健康保険証12月に廃止予定

 「マイナンバーカードはそもそも任意だったはずです。命にかかわる健康保険証を人質にとって、マイナ保険証を無理やり使わせようとしています。あまりにひどい」。白衣姿の医師の訴えに、通りかかった人たちが足を止めました。
 政府が従来の健康保険証を廃止するとしている12月2日まで半年を切った13日、大津市内で滋賀県保険医協会が、「安心して医療にかかれるため、反対の声を一緒に上げましょう」と署名を呼びかけました。
 県保険医協会は、県内の医師や歯科医師らでつくる団体。宣伝では、理事長の太田志朗医師らがマイクを握り、▽マイナ保険証を読み取る「オンライン資格確認」の義務化によって、会員の1割前後が閉院・廃院を予定している、▽マイナ保険証はトラブルが続いていて、現行の保険証を廃止すれば大混乱に陥る、▽認知症や障害のある人は使用も保管も困難な場合がある、▽システム障害や災害時には使えない、などの問題点を指摘。「マイナ保険証を使っているのは6%前後。保険証を廃止すれば、無保険の人が大量に生まれかねません。皆さんの反対の声が大きいほど中止の力になります」と訴えました。

"戦争かと思った"、住宅地上空を戦闘機が旋回。低空で何度も

2024年6月9日・16日合併号 1面掲載

29日と1日、事前通告なしに飛行
住民憤り
大津市上空を旋回する戦闘機の飛行ルートと写真
※クリックで画像拡大

 「戦争が起きたのかと思った」。29日と6月1日、大津、草津、守山、野洲各市の上空で、戦闘機や大型の軍事輸送機などの軍用機5機が旋回。爆音を響かせながら低空飛行する軍用機に、住民は不安を募らせました。
 「家の真上を戦闘機が何度も飛んでいる」。29日、「滋賀民報」に県内各地から問い合わせの電話が相次ぎました。その後の取材で、戦闘機は航空自衛隊奈良基地(奈良市)で行われた「基地祭」(1日)の展示飛行のための訓練飛行と判明。真相を知った住民は「なぜ住宅街の上を」「戦争のようで怖かった」と声を震わせました。同基地は、抗議の声を無視して1日に展示飛行を強行しました。
 空自奈良基地によると、県内上空を飛行したのは航空自衛隊のF15戦闘機2機、戦術輸送機C130H1機、T4練習機2機。それぞれ小松、小牧、浜松各基地の所属で、県内上空で合流し、旋回して奈良基地に向かったと言います。担当者は、滋賀県上空で旋回するのは、「時間調整のため」「琵琶湖があるため何かあった時に着水できるから」と回答。県には事前通告さえしていません。
 「滋賀民報」が航空機の航路がわかるレーダーサイトを確認したところ、29日、軍用機は野洲市と大津市の間を10周前後旋回。1日には、F15戦闘機2機が県内上空で接近して飛行。いずれも記者が目視、撮影しました。F15は2022年に墜落し、死亡事故を起こしたばかり。守山市で目撃した女性(72)は「操縦士が見えるほどの低空飛行。下校時間で子どもたちも『怖い』と。こんなことは二度とごめん」と憤ります。

大津市で待機児が激増。保護者から悲鳴

2024年6月2日号 1面掲載

"保育園・保育士 増やして!!"
大津市の待機児童数の推移グラフ画像
大津市の待機児童数の推移(毎年4月1日時点) ※クリックで画像拡大
"どの保育園もいっぱいで"

 大津市が先月15日、4月1日時点の待機児童数が昨年の30倍を超え、過去最多になったことを発表。「隠れ待機児」を含めると516人が保育園などへ入れていない深刻な状況で、保育園に"落ちた"保護者からは「保育園・保育士をもっと増やして」という声とともに、緊急の支援を求める切実な声があがっています。
 大津市の待機児童数(4月)は184人で、昨年の6人から激増。特定の園を希望する場合や育児休業中などで、国の待機児童の定義から除かれる「隠れ待機児」を含めた数でも記録が残る2012年以降で最多です。同時期の「隠れ待機児」を含む数では草津市が129人、野洲市が73人、米原市が6人で、大津市が際立っています。
 同市によれば、特にJR大津駅から比叡山坂本駅周辺のエリアで待機児が急増。市はコロナ禍を理由にした「利用控え」がなくなったことに加え、宅地・マンションの新設で子育て世帯が増加したこと、保育士の確保が難しいことなどを原因にあげています。

大軍拡、今年度滋賀で32億円。核攻撃にも耐える?!自衛隊3基地「強靭化」

2024年5月26日号 1面掲載

募る不安、"住民が犠牲に"
161棟の「強靭化」を計画
大津駐屯地内の建物と16式機動戦闘車写真
大津駐屯地内の建物と16式機動戦闘車(手前左=大津市)

 岸田政権が進める大軍拡で、敵基地攻撃能力の保有などとともに「安保3文書」に盛り込まれた自衛隊基地の強靱(きょうじん)化計画。滋賀にも今年度、32億円の予算が計上され、具体化が進んでいることが取材でわかりました。
 基地周辺の住民からは、「私らの命を危険にさらすようなことはやめて」と不安と怒りの声があがっています。  政府・防衛省は昨年度からの5年間で43兆円を投入して「大軍拡」を推進。自衛隊基地にはそのうち4兆円を計上して、核・生物・化学兵器による攻撃や核爆発に伴う「電磁パルス」にも耐えられるよう、施設の地下化や壁の強化などを進める予定です。強靱化は、日本が敵基地攻撃を行った際の報復攻撃に備えるためと指摘されています。
 県内では今後、陸上自衛隊大津駐屯地(大津市)の全56棟のうち41棟を建て替える見込みで、今年度23億円(前年度26億円)を計上。同今津駐屯地(高島市)は全145棟のうち103棟で、8億円(同3,000万円)。航空自衛隊饗庭野分屯基地(同)は全27棟のうち17棟で、今年度新たに1億円を計上したと防衛省は答えました。基地施設の7割にあたる161棟を強靭化する計画です。

"いのちの危険" 万博会場―遠足・校外学習で「万博へ」県が今月末、学校に案内開始

2024年5月19日号 1面掲載

"子ども連れて行くな"
ガス爆発、災害で孤立の恐れ。避難計画も未定
大阪・関西万博会場ガス爆発事故発生地点など地図画像

 開催まで1年を切った大阪・関西万博。
 パビリオン建設の遅れや事業費の高騰が指摘される中、3月末には会場内でガス爆発事故が発生。さらに、災害時の避難計画がいまだに示されていないなど、来場者の命を守れるのかさえ危ぶまれる事態です。
 ところが滋賀県が、学校の遠足や校外学習で子どもたちを万博に連れていく計画を進めており、今月末には各学校への募集案内を開始する予定。県民からは「子どもを連れて行くな」の声があがっています。

"日米共同訓練やめよ"、「あいば野連」など要請

2024年5月12日号 1面掲載

"危険極まりない"
日米共同訓練の中止を要請する市民ら写真
要請する(手前右から)泉、大野、黄野瀬の各氏(26日、高島市・今津駐屯地前)

 防衛省陸上幕僚監部が、陸上自衛隊中部方面隊と米陸軍との共同(実動)訓練「オリエント・シールド(東洋の盾)」を7月に実施すると発表(先月11日)したことに対し、訓練の中止を求めて26日、高島市民でつくる「あいば野平和運動連絡会」と、日本共産党滋賀県委員会、同党県議団・同高島市議団が、陸上自衛隊今津駐屯地に申し入れました。
 これまで中部方面隊と米陸軍の実動訓練はすべて饗庭野演習場で行われており、今回も同演習場で実施される可能性が高まっています。また、先月10日の日米首脳会談の共同声明では、「(米軍と自衛隊の)作戦及び能力をシームレスに統合」することなどを宣言。米軍が対中軍事戦略を進める中、敵基地攻撃能力を持った自衛隊を組み込んで実施される訓練に、「戦争準備やめろ」の声が強まっています。
 要請には住民など22人が参加。日本共産党の黄野瀬明子衆院1区予定候補、「あいば野平和運動連絡会」の大野哲朗共同代表がそれぞれ要請文を読み上げました。共産党の要請文は、「直前の日米共同声明は、自衛隊が米軍の事実上の指揮下に組み込まれることとなるもので、憲法違反の『敵基地攻撃』にとどまらず、国連憲章違反の先制攻撃のための訓練」と指摘。「あいば野連」の要請文は、訓練は自衛隊の海外派兵に備えるもので、「『人殺し訓練』そのもの」と断じています。

国保料、県内10市町で値上げ。年約8万円増も

2024年4月28日・5月5日合併号 1面掲載

"負担大きすぎる"
「滋賀民報」試算
滋賀県内市町の国保料(税)と値上げ額表画像
滋賀県内市町の国保料(税)と値上げ額(2024年4月時点。PDF)

 個人事業主や65歳以上が加入する国民健康保険料(税)について、4月に保険料率を決める16市町のうち、今年度は10市町で値上げになったことがわかりました。大幅値上げになる市町では、加入者から悲鳴が上がっています。
 国保料(税)の値上げは、国・県が進める保険料統一化の方針を受けたもので、2030年の完全統一に向け、今後さらに上がる見込みです。保険料が払えず、保険証を取り上げられる世帯がさらに増える恐れが強まり、自公政権による「受益者負担」の社会保障制度の破綻は鮮明です。
 値上げになったのは、長浜、守山、栗東、甲賀、東近江、米原、竜王、愛荘、豊郷、甲良の6市4町。4人世帯で試算すると、年間約1~8万円もの負担増です(表参照)。大津、彦根、近江八幡各市では、5~6月に保険料率を決定します。
 昨年まで保険料率が県内で最も低く抑えられていた豊郷町は今年度、一気に最高水準に。同町で自営業を営む竹内秀典さん(67)は、「まるで新しい税金ができたような感覚。あまりにも負担が大きい」と憤ります。現在は一人分の保険料ですが、「これまでも、2人の子どもの独立前は、本当に(保険料が)高くて払うのが大変だった」と振り返ります。
 そもそも国保は、他の健康保険と異なり、世帯人数に応じて均等割が加算され、子どもが増えれば負担も増える制度になっています。事業者が半額負担する「協会けんぽ」に比べ、4人家族での負担額は約2倍。その上、国保加入者は低所得世帯や高齢者が多く、加入世帯も年々減少。国の財政投入は不可欠です。

7月に日米共同訓練。饗庭野(あいばの。高島市)での可能性大

2024年4月21日号 1面掲載

危険な戦争訓練、「米軍の指揮下」具体化
16式機動戦闘車写真
16式機動戦闘車(高島市)

 防衛省陸上幕僚監部が11日、今年度の日米共同訓練として、陸上自衛隊中部方面隊(総監部・伊丹)が行う米陸軍との実動訓練「オリエント・シールド(東洋の盾)」を7月に実施すると発表。訓練の場所は「中部方面区内をメインに調整中」(陸幕広報室)ですが、これまで米陸軍と中部方面隊の実動訓練(計6回)はすべて饗庭野演習場(高島市)を使用していることから、今回も饗庭野の可能性が高まっています。
 饗庭野で実施されれば19回目の日米共同訓練。前回の訓練期間中には、120mm迫撃砲弾が演習場外に着弾する重大事故が起きました。今回は、最新鋭の16式機動戦闘車や120mm迫撃砲の実弾射撃訓練など、「現時点では、すべての装備が(使用する)候補」(陸幕広報室)とする危険な戦争訓練で、反対の声が強まるのは必至です。
 発表前日の10日には、訪米中の岸田文雄首相とバイデン米国大統領が共同声明で、「(米軍と自衛隊は)作戦や能力のシームレスな(継ぎ目のない)統合を可能にする」「指揮・統制の枠組みを向上させる」と日米軍事同盟の変質を宣言。共同訓練では「指揮機関訓練」も予定するなど、海外での戦闘を想定して事実上、自衛隊が米軍の指揮下に入るための地ならしと見られています。

介護保険料・県内2市3町が引上げ。年金から天引き"苦しい"

2024年4月14日号 1面掲載

介護保険料などが記載された年金振込通知書を手にする高齢者写真
介護保険料などが記載された年金振込通知書を手にする高齢者
"保険料もっと下げられる!!"
ため込み基金、全県で145億円
 今年は3年に一度の介護保険料改定の年。年金は実質引き下げ、物価の高騰が続く中、高齢者にとって保険料は大きな負担です。
 「滋賀民報」が各市町に問い合わせると、65歳以上が支払う4月からの介護保険料(第9期の基準月額)は、2市3町(彦根市、米原市、愛荘町、豊郷町、甲良町)が引き上げ、1市2町(大津市、竜王町、多賀町)で引き下げとなることがわかりました。
 介護保険の財源は国・県・市町村の公費50%と、保険料50%(40~65歳未満27%、65歳以上23%)でまかなわれます。このうち、65歳以上の保険料は、ほとんどの人が年金から天引き。残ったお金で生活のやりくりを余儀なくされます。
 徴集された介護保険料は介護給付費(介護サービスなどの費用)として支払われ、残った分は「介護給付費準備基金」として各市町にため込まれています。本紙が「基金」残高を聞き取ったところ、各市町の総計が145億円に及びました(表参照)。
滋賀県内市町の介護保険料と基金残高表画像
滋賀県内市町の介護保険料と基金残高(PDF)
 大津市議会では、大津市社会保障推進協議会が出した保険料引き下げを求める請願が採択され、市は介護給付費準備基金(約55憶円)から今後3年間で37億円を取り崩し、今回の基準月額を635円引き下げ。市民から喜びの声があがりました。

給付型奨学金"理不尽"取り消し、県内719人

2024年4月7日号 1面掲載

「困窮学生の応援」のはずなのに…
成績順位で切り捨て
「しっかり勉強しなかった場合、打ち切られます」

滋賀県内各大学の給付型奨学金の状況表画像
滋賀県内各大学の給付型奨学金の状況(PDF)

 2020年に始まった返済義務のない給付型奨学金制度で、成績要件によって支給が取り消される事例が相次いでいます。県内にキャンパスを置く13大学で、支給を取り消された学生が過去3年間で少なくとも719人にのぼることが、「滋賀民報」の調べでわかりました
 「あんなにがんばったのに、どうして」――。2022年の春、県内の大学に通っていた増田絵理奈さん(仮名・当時3年生)に、奨学金の「廃止」(=取消)を告げる書類が届きました。
 増田さんが利用していたのは日本学生支援機構の給付型奨学金。授業料・入学金の減免と一体で、住民税非課税など困窮世帯の若者たちが経済的理由で進学をあきらめることがないようにと導入されました。しかし、入学後の成績には出席率や取得単位数などに厳しい要件が課せられ、毎年基準を満たさなければ、支給を取り消される恐れがあります。中でも、学部などでの「GPA(成績評価)等が下位4分の1」となった場合は「警告」となり、連続すれば、受給資格が「停止」か「廃止」となる要件が、学生を苦しめています。
◆「奨学」と相容れない  給付型奨学金制度は、全国で約35万人が利用していますが、毎年約1万8,000人が「廃止」されています。「廃止」になれば、授業料減免も同時になくなるため、授業料の全額納付が求められます。経済的困窮状態にある学生を、たちまち学業が継続できない状態に陥らせます。岸田政権は今年度から対象を、中間所得層の多子世帯や理工農学系学部に拡大しますが、それに伴い、成績要件がさらに厳格化される恐れが出ています。
 教育関係者からは、「成績要件は競争主義的・選別主義的な思想に基づいており、経済的に困窮する学生の学ぶ権利を保障する『奨学』の思想とは相容れない」と指摘する声があがっています。

"地域の介護が崩壊する"、現場から悲鳴。4月から報酬引下げ

2024年3月31日号 1面掲載

訪問介護がピンチ
滋賀県内市町の訪問介護事業所数と利用者数表画像
滋賀県内市町の訪問介護事業所数と利用者数(PDF)
"生活に欠かせないのに!!"

 岸田政権が15日、4月からの介護報酬改定(一部6月実施)を告示。全国の介護関係者や市民の反対を押し切り、訪問介護の基本報酬を引き下げました。
 高齢者の生活を最前線で支える訪問介護事業所の経営に大打撃を与えるもので、県内でも「事業が続けられない」「地域の在宅介護が崩壊する」と、怒りと不安の声が噴出しています。
 今年は3年に一度の介護報酬改定の年。コロナ禍で介護・医療分野などの従事者の重要性が再認識され、物価高騰も重なる中で、大幅引き上げが期待されていました。
 ところが厚労省は、サービス全体では1.59%の引き上げとする一方、「収支差率(利益率)が他のサービス形態より比較的高い」などとして、訪問介護の基本報酬を2~3%程度引き下げ。しかし収支差率は事業所の経営実態を反映しておらず、「訪問介護事業所の4割が赤字」という現実が国会質問の中で明らかになっています。代わりに引き上げたという処遇改善加算率も、事業所のマイナスを穴埋めできるものではありません。
 この改定に、県内の介護事業所の経営者は「コロナ禍では通所施設が閉鎖した分もフル稼働。高齢者の在宅生活に不可欠だからと必死でやってきたのに、この仕打ちか」と怒りをあらわにします。
 大津市内で約100人が利用する訪問介護ステーションでは、マイナス改定の影響を試算すると、月額約9万3,000円もの減収に。処遇改善加算を得ても減収分は補えず、4月以降の対応に頭を抱えます。

自民党青年局《不適切》懇親会―「素晴らしいおもてなし」滋賀から参加市議絶賛

2024年3月24日号 1面掲載

滋賀から6議員が参加
懇親会に参加した市議のSNS投稿画像
懇親会に参加した市議のSNS投稿(現在は削除)
裏金問題に批判集まる中、"謝罪で許されん!!"
県民から憤りの声

 自民党青年局が昨年11月に和歌山市内のホテルで開いた「自民党青年部・青年局近畿ブロック会議」の懇親会で、露出度の高い衣装の女性ダンサーを呼び、不適切な行為に及んでいたことに、県民の怒りが沸騰しています。同党滋賀県連からも青年局長・井狩辰也県議(野洲市)ほか、笠谷洋佑、井元潔両大津市議、道下直樹近江八幡市議、森鉄兵東近江市議、中島裕介甲賀市議が参加していました。
 会議には同党国会議員も参加し、懇親会では酒や鯨肉などが振舞われ、ダンサーが2回登場。井狩県議は、チップを口移しで渡したりダンサーに触れる行為はしなかったが、制止したり、苦言を呈してはいないと言います。その場にいた県内の複数の市議も、当日の様子を「地元の素晴らしいおもてなし」「有意義な意見交換ができた」などと自身のSNSで流していました。
 参加費一人5,000円は県連が支出。県連は毎年約2~3千万円の政党助成金を党本部から受け取っています。

地震列島"日本で原発はムリ"―能登地震から2ヵ月、原発の町・志賀町(しかまち)を行く【現地取材】

2024年3月10日・17日合併号 1面掲載

住民、"怖さ身に染みた"
"事故が起きても逃げられない"
北陸電力志賀原発写真
北陸電力志賀原発。敷地内を県道が通り、原子炉から約150mの地点を住民の車や観光バスが行きかう(28日)

 能登半島地震から2ヵ月。最大震度7を観測した石川県志賀町(しかまち)を28日、取材しました。
 町内にある志賀原発(北陸電力・2011年から停止中)は、地震によって変圧器が壊れたり油が漏れ出すなど、数々のトラブルが発生し、住民からは「原発の怖さがつくづく身に染みた」と痛切な声が聞かれました。
 同原発は無数の活断層があると言われる"超危険地帯"に立地。滋賀県に隣接する福井県若狭湾の原発銀座も同じです。今も被害が続く福島第一原発(東京電力)事故から13回目の「3・11」を前に、能登半島地震の教訓を現地で探りました。(本紙取材班)

"許せない!"、自民党裏金―93%が「党の調査は不十分」

2024年3月3日号 1面掲載

自民党裏金問題アンケート結果グラフ画像
大津、草津、近江八幡各市の駅頭などで計101人に聞き取り。2024年2月
「滋賀民報」緊急アンケート
"国民をバカにするな"

 自民党の政治資金パーティーをめぐる裏金問題に県民は――。
 「滋賀民報」が緊急街頭アンケートを実施したところ、93%が「自民党の調査は不十分」と回答。「ありえない」「本当に腹立たしい」「国民をバカにしてる」。街頭には、怒りや不満の声が渦巻いていました。
 緊急街頭アンケート(シール投票)は21~24日、「裏金問題について自民党の調査は十分だと思うか」、「岸田内閣を支持するか」の2問を、大津、草津、近江八幡各市の駅頭などで計101人に尋ねました。
 岸田首相に対する不満も強く、内閣の支持率は、わずか15.8%。経済低迷や増税、大軍拡などへの怒りとともに、従来の支持者からも「もう支持できない」との声も寄せられ、岸田政権の行き詰まりが浮き彫りに。退陣に追い込む機運が高まっています。

    【街頭で寄せられた声】
  • 「不十分」にシール2枚貼りたい。岸田内閣は議員総入れ替えやね。(大津市・男性)
  • 国民には1円単位で納税させて、自分たちは何千万というお金を懐に。どう考えても許されない。怒っています。(38・近江八幡市・個人事業主)
  • 公明党を支持してきたけど、今回の対応は不十分。安倍さんが草津に来た時は握手したのに、あの人が一番悪かった。今回だけはあかんな。(81・栗東市・女性)
  • 抜け穴だらけの政治資金規正法。企業・団体献金を禁止する規正法改正をしなければ。(56・大津市・男性・公務員)
  • 岸田さんは戦争の方に持っていこうとしているようで怖い。(20・近江八幡市・女性・専門学校生)
  • 全文は紙面で

県内32企業・内部留保95兆円―1.3%で全従業員の賃金月3万円アップ

2024年2月25日号 1面掲載

貯め込み、"賃上げにまわせ"
滋賀県内に事業所がある大企業の内部留保額と賃上げ可能額表画像
滋賀県内に事業所がある大企業の内部留保額と賃上げ可能額(上位10社。「2024年国民春闘白書」から試算。PDF)

 止まらない物価高騰、上がらない賃金に、県民の暮らしがいっそう厳しくなる中、県内に事業所を置く大企業32社の2022年度の内部留保を調べたところ、前年度より3兆5,409億円増の、95兆5,714億円にのぼっていることがわかりました(表参照)。
 大幅な賃上げへ、「内部留保を使え」と求める声が強まっています。
 内部留保は、企業が様々な理由でため込んでいる資産。2022年度は32社のうち25社が内部留保を増やしました。最大はトヨタ自動車の32兆519億円(前年比2兆1,191億円増)で、全体の34%を占めています。これにNTTの9兆7,279億円(同6,835億円)、KDDIの5兆5,711憶円(同4,300億円)が続きました。
 32社の内部留保を全従業員(臨時含む)に分配すると、1人当たり平均3,582万円にのぼり、1.36%取り崩せば、月額3万円(ボーナス4ヵ月分=年額48万円)の賃上げを実施できます。
 大幅賃上げを求める声が強まる中、日本共産党が昨年、暮らしに希望を届ける「経済再生プラン」を発表して、▽内部留保に時限的に課税し、中小企業の賃上げを支援する、▽課税の際に賃上げ分を控除することで大企業の賃金も上げる、ことなどを提案。春闘勝利と併せて、国民の懐を温める政治へ転換する大運動が求められています。

4月から県内全市町で18歳まで医療費助成 "県民の声と運動の成果ですね!!"

2024年2月18日号 1面掲載

喜び広がる
13市町で完全無料、6市では自己負担あり
県内の子どもの医療費助成の状況表画像
滋賀県内市町の高校生までの医療費(2024年度から。PDF)

 4月から県内13市町で18歳までの医療費が完全無料になることが「滋賀民報」の調べでわかりました(表参照)。他の6市では自己負担が残るものの、全市町で18歳までの医療費助成が制度化されます。
 子どもの医療費無料化は市民や団体、日本共産党が求め続けてきた施策で、保護者らから喜びの声があがっています。
 子どもの医療費助成は県制度が未就学児までにとどまっていたため、市町が独自に拡充してきました。18歳まで完全無料が5市町、中学校卒業までは7市町に広がりました。
 来年度、県は8年ぶりに制度を拡充。4月から、高校生世代(16~18歳)の医療費助成(自己負担あり)を始めます。新年度予算案には拡充のための約3.5億円を計上しました。
 この拡充を受けて、市町では県制度による自己負担をなくす動きが広がりました。新たに4月から18歳まで完全無料になるのは、中学校卒業まで完全無料だった長浜、甲賀、湖南各市と日野、竜王、愛荘、多賀各町、通院費を小学3年生まで無料にしていた彦根市。
 「待ち望んでいました」と歓迎するのは、小学5年生の長男と高校2年生の長女を育てる彦根市の母親(48)です。「中高生になっても通院の頻度はあまり変わらず、これまで他市町を"いいな"と思っていました。助成拡充を求める署名にも協力してきて、今回の拡充は本当に"待ってました"という気持ちです」とうれしさをにじませます。

滋賀県立小児保健医療センター "今のまま残して充実を"

2024年2月11日号 1面掲載

来年統合(廃止)・病床削減計画に
県が意見募集(2月20日まで)
滋賀県立小児保健医療センター統合計画案画像
センターの統合計画案(1月31日公表) ※クリックで画像拡大
 県病院事業庁が31日、県立小児保健医療センター(守山市)の廃止(統合)を盛り込んだ「第五次滋賀県立病院中期計画(改定素案)」を公表し、県民からの意見を2月20日まで募集すると発表しました。
 同センターは障害をもつ子どもの命や健康、家族の生活を守る砦。患者の家族などからは「命のベッドを減らさないで」「今のままの小児センターを守って」と切実な声があがっています。
滋賀県立小児保健医療センター写真
滋賀県立小児保健医療センター(守山市)
 県立小児保健医療センター(1988年設立)は、他の医療機関での対応が難しい超重症児や重度の障害児、難病、慢性疾患などの患者を受け入れる唯一の専門病院です。ところが、県は同センター「基本設計方針」(2019年策定)で、「効率化を図る」として県立総合病院との統合、病床の削減を計画。昨年12月、知事が県議会で「センターはなくなることを基本に検討」と答えました。
 31日公表された「中期計画(改定素案)」では、同センターを来年1月に廃止して総合病院に統合。翌年から3年間は総合病院内に小児病床72床を置き、29年からは院内に新設する小児病棟に38床を分割するとしています。
 こうした同センターの統合計画に、患者家族らの不安は強まるばかりです。
 (中略)
 こうした声を受け、「県立病院の未来を考える会」と「守山の会」が署名を集め、「センターをなくさないで」と知事に求めています。両会は28日、守山市内で「障害や病気の子どもたちの医療を守り命を守る県民のつどい」を開催。「県への意見募集(パブコメ)にも多くの反対意見を届けよう」と呼びかけました。
 県病院事業庁は意見募集の後、3月に中期計画の最終案を策定し、廃止・統合を決定する予定。県議会にセンターの廃止条例案が上程され、議決が強行される恐れがあります。

"災害関連死ふせぐ備えを"・滋賀の避難所設備は…

2024年2月4日号 1面掲載

滋賀県・市町が保管する避難所の設備表画像
県・市町が保管する避難所の設備(PDF)
能登地震から1ヵ月―断水・停電続く被災地

 死傷者1,500人を超える甚大な被害を出した能登半島地震から1ヵ月。被災者の生活再建は見通せず、石川県の発表(29日)では約1万4,000人が避難所での生活を余儀なくされており、過酷な環境下で災害関連死を防ぐための対策が急務となっています。
 「滋賀民報」が滋賀県と県内市町に避難所運営に必要な設備の整備状況を聞き取ったところ、備蓄数と県が想定する大規模地震での避難者数とは大きく隔たる実態が見えてきました。
 能登半島地震ではインフラ復旧が難航し、石川県内の断水は約4万2,490戸、停電約3,300戸(29日時点)。避難所では簡易トイレやベッド、パーティション(仕切り)など内閣府がガイドラインで示す必要物資も不足しており、感染症への不安もあって、ビニールハウスや車、倒壊の危険がある自宅で避難生活を続けている人もいます。
 「滋賀民報」の調査は、こうした実態を踏まえて、プライバシー保護や感染症対策に有効な自立型テント(屋根なしを含む)、パーティション(仕切り板、複数枚で使用も含む)、体の負担軽減やほこりを吸い込むリスクが少ないとされる簡易ベッド、衛生面と尊厳を守るために必要不可欠な簡易トイレ、発電機の備蓄数、避難所に指定されている学校体育館の冷暖房設備について聞き取りました。
○続きは紙面で

"国民健康保険料(税)上げるな"、日本共産党地方議員団が県に迫る

2024年1月28日号 1面掲載

"「統一化」撤回を"
県に要請する日本共産党滋賀県地方議員団写真
県に要請する日本共産党滋賀県地方議員団(19日、県庁)

 厳しい暮らしをこれ以上追い詰めるな――。日本共産党県地方議員団が19日、「国民健康保険料(税)の値上げになる統一化の方針は撤回し、県民の命と健康を守るため、国保料(税)の引き下げを求める要望書」を、三日月大造知事に提出。同党の節木三千代県議と13市町の議員23氏が県医療保険課に要請しました。
 自営業者や年金受給者らが加入する「国保」は保険料が高すぎるため、滞納して保険証を取り上げられる世帯が増えています。市町は独自に軽減するなどしていますが、県は3年後をめどに県内の保険料を統一化しようと、実質的に各市町に値上げを迫っています。
 日本共産党議員団とのやりとりでは、県が「統一化」ですべての市町の保険料が上がる想定を明かしたため、参加した町議が「支払えず、医療にかかれない人が大量に出ることを認めることになる。一律がいいという論理では無責任。県民の命を守る立場に立つべきだ」と迫りました。
 また、県は「国保の保険料は他の被用者保険に比べて高いと実感している」として、国に要望していると説明。しかし一般会計からの繰り入れや基金の活用を行わない姿勢を示したため、議員らが「『国が下げてくれないから値上がりは仕方ない』というのではあまりにも冷たい。県が何とかすべき」と求めました。さらに、繰り入れや、米原市が実施している還付方式で18歳までの子どもにかかる均等割を実質的になくす仕組みは制度上禁止されていないことを県に確認しました。