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滋賀県唯一の革新地方紙―滋賀民報Web

定価:1か月470円、1部120円
発行所:(株)滋賀民報社

今週のイチオシ記事!

毎週の「滋賀民報」から編集部イチオシ記事をお届けします。

※記事本文については、一部割愛している場合があります

80年前"地獄"になった沖縄―資料館を設計した建築家の思い―大津市出身・福村俊治さん

2025年8月10・17日合併号 1面掲載

【戦後80年≫つなぐ】滋賀から沖縄へ
沖縄県平和祈念資料館と平和の礎写真
沖縄県平和祈念資料館(手前は平和の礎=いしじ)
"沖縄戦の実相伝えたい"、"二度と戦争させてはならない"

 80年前、"ありったけの地獄"を集めた戦場となった沖縄。糸満市摩文仁にある「平和の礎(いしじ)」には、国籍、軍人・民間人の区別なく犠牲となった24万2,567人の名前などが刻まれています。沖縄県民は4人に1人が犠牲になりました。この「礎」に寄り添うように建つ沖縄県平和祈念資料館を設計したのは、大津市出身の建築家・福村俊治さん(72・浦添市在住)。沖縄と滋賀をつないできた福村さんは、「戦後80年の節目。沖縄戦の教訓を伝えなければ」との思いを強くしています。
 「沖縄出身ではない、沖縄戦のことを知らない僕らが出した設計案がコンペで選ばれた。大変なことになったなぁ」――。1996年、老朽化した旧資料館に代わる新沖縄県平和祈念資料館を設計した福村俊治さんらのグループ「チーム・ドリーム」は焦りを隠せませんでした。片っ端から沖縄戦の本や写真集を読んでも実感が伴いません。
(中略)  「始まると止めるのは難しい。だから戦争させてはならないのです。いま沖縄では自衛隊が基地をつくって、ミサイルを配備。九州でも、滋賀の饗庭野でも同じことが言える。政府は『住民を守るためにミサイルを配備する』と言うけど、おかしいよね。沖縄戦に学んでいない」。沖縄戦の教訓は「軍隊は住民を守らない」「命(ぬち)どぅ宝」(=命こそ宝)。

◆全文は紙面で

"広島も長崎も遠い話じゃない" 東レに落とされた模擬原爆「パンプキン」

2025年8月3日号 1面掲載

"原爆だったら私も…"―目撃した桝本和子さん(83・大津市)
桝本さん写真
体験を語る桝本さん
県内最大の空襲被害。"今、伝えておかないと"

 アジア・太平洋戦争末期の1945年7月24日、アメリカ軍が大津市の東洋レーヨン滋賀工場(現・東レ滋賀事業場)に、一発の爆弾を投下。死者16人、負傷者100人以上に上ったと記録され、県内で最大の空襲被害となりました。
 のちに、原爆投下の予行演習であったことが明らかになった模擬原爆「パンプキン爆弾」。その投下から80年、証言者が少なくなる中、爆弾がさく裂するところを目撃した桝本和子さん(83・大津市)は、「戦争を身近に感じてほしい」と、体験を語ります。
 桝本さんは、41年11月生まれ。「パンプキン」が投下された当時は3歳半でしたが、東レから1㎞ほど離れた自宅で爆弾投下の瞬間を見た時のことは、まぶたに焼き付いています。
 その空襲が、長崎に落とされた原爆の予行演習であったと桝本さんが知ったのは、十数年前、大津市歴史博物館を訪れた時でした。「とても恐ろしくなりました。あれが原爆だったら、私もここにはいなかった」
 数年前から、小学校で体験を語るなどしていましたが、最近では光泉カトリック高校の生徒のラジオ番組制作にも協力。積極的に自身の体験を語っています。日本が再び戦争の準備を進める今、「子どもたちにとって、戦争が『よそごと』のようになっているのではないか」との危機感があるからです。「広島も長崎も遠い所の話じゃないと伝えたい。体験を話せる世代は私たちで最後。今、伝えておかないと」
 東レに落とされた「パンプキン」について研究する立命館大学研究員の鈴木裕貴さんは話します。「私たちは、ヒロシマ・ナガサキを考える時、"原爆が投下されて以降"にフォーカスしがちです。しかし、突然8月6日、9日がやってきたわけではないということを、『パンプキン』は教えてくれます。これは今にも通じることではないでしょうか。戦後80年の今こそ、体験を語り継ぐことに加えて、"原爆が投下されるまで"にも目を向けるべきです」

えん罪・湖東記念病院人工呼吸器事件、滋賀県警の捜査は「違法」

2025年7月27日号 1面掲載

「えん罪・湖東記念病院人工呼吸器事件」国賠訴訟判決を伝える弁護団と西山さん写真
支援者らに判決を伝える弁護団と西山さん(中央。17日、大津市)
西山さん国賠訴訟、大津地裁が判決

 湖東記念病院人工呼吸器事件で、無実の罪で服役し、再審無罪となった元看護助手の西山美香さん(45・彦根市)が、国と県に対して損害賠償を求めた裁判の判決が17日、大津地裁(池田聡介裁判長)で言い渡されました。
 判決は、県警による取調べなどを違法と認定。県に約3,100万円の支払いを命じました。一方、国の責任については認めませんでした。
 判決は、県警の捜査が違法だったと厳しく断じました。西山さんの自白は取調べを担当した刑事による強い誘導があったと認定。犯行を否認する内容の供述については調書を作成せず、自白が一貫しているかのように見せかけたことなどは、「刑訴法の目的に明らかに反する」と指摘しました。
 また、医師が「人工呼吸器のたん詰まり」による死亡の可能性について述べた捜査報告書や、西山さんが殺意を否認した供述書などの証拠を、県警が検察に送致していなかったことについても、「証拠が送致されていれば、起訴に及ぶことはなかった」として違法としました。
 一方、判決では検察の起訴、再審時の特別抗告の違法性については認めず、西山さんと弁護団は国に対して控訴し、引き続きたたかう姿勢です。

参院選7月20日投票 "比例躍進で新しい政治を" 日本共産党が総力

2025年7月20日号 1面掲載

日本共産党街頭演説写真
猛暑の中で訴える田村智子委員長(左から2人目)とさとう耕平選挙区候補(13日、石山駅前)
比例=日本共産党、選挙区=さとう
比例・山下よしき候補も熱く訴え

 大激戦の参院選は最終盤、各党が一刻を争って1票を奪い合う中、20日、投票となります。
 日本共産党は山下よしき比例候補らを先頭に「自公を参院でも少数に追い込み、誰もが安心して暮らせる新しい政治をつくろう」と比例の躍進へ猛奮闘。「日本の政治の歴史的岐路となる参院選。日本共産党の躍進を何としても勝ち取ろう」――。
 13日には田村智子委員長が県内入りし、さとう耕平選挙区候補とともに気迫を込めて訴えました。同党の党員や後援会員、支援者らが各地で立ち上がり、他党と激しく切り結んでいます。
 猛暑の中、石山駅前で演説した日本共産党の田村委員長は、消費税減税に背を向け裏金に無反省の自民党を、厳しく批判。比例代表で5議席へ躍進する意義を強調し、「議席を減らすわけには絶対いきません。全国にお声をかけていただき、何としても前進したい」と訴え。聴衆からは「そうだ」「頑張ろう」の声があがりました。
 物価高対策で田村氏は、「大企業、超富裕層への行き過ぎた減税をやめれば消費税5%への減税は実現できる。できない理由はもはやない」と力説。トランプ関税を押し付ける米政権との関係については、「アメリカ言いなりをまだ続けるのか。軍事費をどんどん増やして戦争する、そんな国になるわけにはいかない」と強調。また、自民・公明・維新・国民民主が狙っている医療費削減(ベッド削減、OTC類似薬の保険外し)の危険性を指摘し、「高齢者が社会保障を食いつぶしているかのように言いふらし、現役世代を含めて激痛を与えるのが、医療費の4兆円削減です」と強く批判しました。 ○全文は紙面で

"参院でも自公を少数に"、日本共産党が全力。"1票が暮らしを変える"

2025年7月13日号 1面掲載

山下氏写真
比例・山下よしき候補(日本共産党副委員長)
さとう氏写真
選挙区・さとう耕平候補
参院選7月20日投票
比例 大激戦

 参院選の投票日(20日)まで、ラスト1週間。各党が一歩も引かない総力戦を繰り広げています。
 「頑張れば必ず自公を少数に追い込める」――。日本共産党は、山下よしき比例候補、さとう耕平選挙区候補を先頭に、「日本共産党の躍進で、消費税減税の実現、財界とアメリカ言いなりの政治を転換しよう」と各地で訴え、他党と激しく切り結んでいます。
 山下よしき比例候補は関西各地を奔走し、自公と補完勢力の維新・国民、差別的主張を強める参政党と対峙。「大企業・財界にモノが言える勢力が議席を伸ばすことが大きなカギ」と気迫の訴えを続けています。自公と維新・国民が11万床のベッド削減、OTC医薬品(市販類似薬)の保険外しなどを進めていることを厳しく批判。医療・介護の切り捨てを、「現役世代の負担軽減」などと正当化する他党の姿勢に、「やらなきゃいけないのは税金の使い方を変えること。現役世代と分断し、高齢者を痛めつけて自己責任を押し付けることじゃない」と強調しています。
 また、教育・社会保障、食料安定供給など暮らしの予算が切り下げられる一方、異常に突出している軍事費に切り込む政党の議席が必要、と熱く訴え。「戦争回避へ、どこまでも外交・対話の努力を追求します。それが日本共産党。国際法も国連憲章もお構いなしのトランプ政権、アメリカ言いなりの戦争する国づくりでいいのか、これに立ち向かう力がどうしても必要なんです」と力を込めます。
 各党とも期日前投票を重視。日本共産党は「現有11議席から1議席でも後退すれば、議案提案権を失う。比例5議席は絶対不可欠。1票で勝敗が分かれます」と訴え、支援を呼びかけています。

"自民農政の転換を"―コメ不足なお深刻。"備蓄米だけで解決できない"

2025年7月6日号 1面掲載

滋賀県内の稲作農家数の推移グラフ画像
農家も米屋も消費者も悲鳴

 「令和の米騒動」と呼ばれる深刻なコメ不足と価格高騰。政府は備蓄米放出で価格が下がったかのような宣伝をしていますが、県内各地の直売所には開店前から行列ができ、消費者から「並んでも地元のお米が食べたい」(50代夫婦)、「備蓄米が出てもコメが安くなったという気はしない」(親子連れ)との声が聞かれました。
 主食が足りなくなる異常な事態に小売店、農家は…。
■米屋が"泣く"しか…  「『コメ不足で儲かっているでしょう』って言われるんです。でも全く逆」。大津市内の米屋の店主は切々と語りました。「24年産米の仕入れ値は、作秋と比べると2倍以上に。でも売り値は上げられません。米屋が"泣く"しかない」
 大きな倉庫を持たない地元密着の米屋にとって、備蓄米は無縁の存在です。「大阪や京都では米屋がいくつも倒産。10kg1万円で売れば、ちょっと利益が出るかな、という状況です。死活問題です、本当に厳しい」
■減り続ける稲作農家  「今までの自民党農政のしわ寄せが一気に吹き出した。減反政策でコメ不足を招き、価格を市場まかせにしたことが最大の原因です。政府が農業を大事にしてこなかった」
 昨年購入したコンバインは700万円。「息子に『手伝ってくれ』とは言えるけど、『(農業を)やってくれ』とは言えない。生活していけないから」と。"コメ作って飯食えねえ"と言われる状況の下で、県内の稲作農家は減り続ける一方です(グラフ参照)。 ◇全文は紙面で

"暮らし・平和の願いは日本共産党" 《参院選3日公示へ》自公・補完勢力と対決

2025年6月29日号 1面掲載

日本共産党街頭演説写真
声援に応える佐藤(左)、辰巳両氏(22日、草津駅前)
日本共産党 駆ける
草津で佐藤氏・辰巳氏、熱く訴え

 参院選が7月3日公示・20日投票で行われることが決まり、各党が活動を加速させています。日本共産党は比例での躍進と佐藤耕平滋賀選挙区予定候補の勝利を必ずと22日、草津市内で街頭演説。熱気あふれる訴えに通行人も足を止め、聴衆から激励が寄せられました。
 草津駅前で22日に開かれた日本共産党の街頭演説には550人が参加。同党の辰巳孝太郎衆院議員らが訴えました。辰巳氏は参院選の最大の争点は消費税減税とその財源とし、「国会でびっくりしたのは、共産党以外の政党はとにかく赤字国債を出せ、という大合唱」と述べました。
 「一時的なものを国債でまかなうのは当然。しかし、消費税の減税は1年、2年で終わろうと思っていません。廃止も見据えていますので、恒久的な財源の確保が必要です。バブル期よりも儲けている大企業にまともに税金を納めてもらえば財源は出てくる」と強調しました。
 こうした財源論を首相も国会で「まことに立派」と認めざるを得なかったことに触れ、「自民党がなぜやらないのか。それは企業・団体献金を受け取っているからです。ビタ一文もらっていない日本共産党を参院選で躍進させていただき、減税実現を」と力を込めました。
 佐藤氏はアメリカのイラン核施設攻撃を強く非難。「軍事対立は戦争の火種にしかなりません。憲法をいかした外交で平和をつくるべき」と述べました。社会保障や教育を削り、同性婚などの当たり前の願いを阻んでいるのは自民党政治だと強調し、「こんな政治は今こそ変えるとき。あなたが大切にされる社会へ」と訴えました。

組合が立つ!"県予算少なすぎる"、滋賀県大教職員組合が"初"署名提出

2025年6月22日号 1面掲載

"全国最低レベル。改善は急務"
署名2,593筆
滋賀県立大学予算の国基準充足率の推移画像

 滋賀県立大学教職員組合(杉浦由香里執行委員長)が13日、三日月大造知事と県議会議長に、大学への運営費交付金の拡充と高等教育無償化を求める署名2,593筆を提出。
 組合として県への署名に取り組むのは初めてのことで、提出後に開いた記者会見では「県の高等教育を担う大学として、広く県民に状況を知っていただきたい」と訴えました。
 署名では、県の毎年の予算措置(運営費交付金)が、国が算定する基準財政需要額よりも少なく(グラフ参照)、全国では6割近くの公立大学が国の基準額を上回る予算であることを示し、「県立大学の教育研究にふさわしい環境に必要な経費の確保を怠ってきた」と指摘。
 ▽全国最下位レベルの運営費交付金を全国平均レベルに引き上げる、▽入学料を減額するとともに高等教育無償化を実現するための予算措置、▽独自の授業料減免制度を拡充する、ことを求めています。
 会見で杉浦由香里委員長は、職員不足から学内全体の残業時間が年間1万2,000時間に及ぶなど、深刻な状況が続いていることを告発。また、教育設備や機器の老朽化も生じているとして、「これまでから大学に改善を求めてきたが、県に訴えなければ現状は変えられないと署名に至りました。運営費交付金の抜本的な増額が必要」と訴えました。

国保(国民健康保険)県内15万人、7月末で保険証失効。医療機関の混乱必至

2025年6月15日号 1面掲載

"紙の保険証存続を"
滋賀県内国保加入者のマイナ保険証登録状況表画像
滋賀県内の国保加入者のマイナ保険証登録状況(PDF)

 自公政権がマイナ保険証をゴリ押しし、従来の保険証の新規発行を停止して半年。国民健康保険組合(市町)の保険証の有効期限が7月末に迫っています。
 「滋賀民報」が調査したところ、県内で15万人以上の保険証が失効し、トラブル続きのマイナ保険証の利用を強いられることがわかりました。
 「滋賀民報」は、自治体が把握している国保加入者における最新のマイナ保険証の登録率と、医療機関での利用率を聞き取り。全県で国保加入者は約23万人で、このうちマイナ保険証を持っている15万6,000人余(68%)が8月以降、基本的にマイナ保険証でしか受診・受付できなくなります。
 自治体では7月に向け、広報やホームページで知らせていますが、市担当者の一人は「今年マイナカードの期限を迎える人も多く、どれだけ問い合わせが増えるか心配」と。別の市では、「同じ世帯でも持っている人と持っていない人を区別する必要があり、間違いが起こる可能性もある」と不安を口にしました。
 混乱が予想されるのは自治体だけではありません。大津市の膳所診療所では受付機器のトラブルは落ち着いたものの、75歳の誕生日を迎えても資格情報が更新されないなど、マイナ保険証のトラブルが増える傾向にあると言います。
 県内の国保加入者のマイナ保険証の利用率は3割程度で、マイナ保険証を持っていても従来通り、紙の保険証で受診している人は多く、受付トラブルの増加に拍車がかかりそうです。
 保険証の存続とともに、「資格確認書」の全員送付を求める声が強まるのは必至です。

消費税減税の財源はココに!県内大企業・法人税実質10%未満計10社も

2025年6月8日号 1面掲載

滋賀県内大企業の法人3税実質負担率表画像
滋賀県内大企業の法人3税 実質負担率(PDF)
「滋賀民報」調査
"税制のゆがみ正す時"

 物価高騰が止まらない中、報道各社の世論調査では、国民の7割が消費税減税を求めています。一方、「政党や政治家は減税の財源を示すべき」と考える人も7割超。こうした中、大企業の法人税負担率が改めて注目されています。
 「滋賀民報」が県内に関係する大企業の法人税を調べると、多くの企業が莫大な減税を受け、負担率が法律で定められた税率より低くなっていることがわかりました(表参照)。
 企業は毎年、純利益に課せられる法人税など(法人3税)を納めており、法律で定められた税率は平均で約30%。しかし、県内の大企業25社の実質負担率は、村田製作所、三菱自動車工業、東京海上ホールディングスの3社がマイナスで、10%未満は7社、20%未満は10社に及びました。
 大企業の利益が伸び、内部留保がかつてない規模で膨れあがる中、大企業を優遇する税制のゆがみに厳しい目が注がれています。
 国会論戦では日本共産党が大企業がいま以上の税金を負担する能力があることを明らかにし、「大企業は十分すぎる税金の負担能力をもっている。大企業への減税バラマキをやめ、消費税減税の財源にあてるべき」と主張。
 同党は、消費税の一律5%減税を緊急提案し、「税制のゆがみを正せば消費税減税は実現できる。赤字国債に頼らず、大企業にふさわしい税負担を求めるという立場に立つことが、消費税減税に本気で取り組むかどうかの重要な試金石の一つ」と訴えています。

え?国スポで県議会代表質問やめる?! 自民党議員が提案

2025年6月1日号 2面掲載

日本共産党は反対。"言論の府の姿勢問われる"
開催期間の9月県議会に

 23日に開かれた県議会の議会運営委員会で、9月県議会が国民スポーツ大会の競技日程と重なることから、代表質問をやめる提案が自民党議員から飛び出しました。同議員は理由として「全県が一丸となって国スポに向かう時。職員の負担を減らしたい」と説明。代表質問より国スポを優先する姿勢に疑問の声があがりそうです。提案は、5日に開かれる委員会で再度話し合われます。
 代表質問は毎議会の一般質問の前に行われ、所属議員5人以上の「交渉会派」から一人が県政や知事の基本姿勢をただします。
 この提案には日本共産党が反対。同党の節木三千代県議は県議会が2年前に一般質問の持ち時間を削減したことを念頭に置き、「物価高騰で県民生活の厳しさが増す中、国スポ大会を理由に代表質問をやめることは認められません。言論の府としての姿勢が問われる」と話しています。委員会は自民党と「チームしが」の2会派のみで構成されており、両会派の態度が注目されています。

学校現場の問題、"ともに変えよう"~日本共産党・志位議長と教員が「つどい」

2025年5月25日号 1面掲載

"根底に「社会のゆがみ」が"

 「学校が子どもにも先生にも"しんどい"場所になっている」「長時間労働がまん延しているのに、先生が増やされないのはなぜ」。
 学校現場の問題は今、政治の中心課題となっています。日本共産党はどう考えるのか――同党の志位和夫議長が東近江市内で11日、県内各地から集まった教職員らと交流しながら語りました。

"力を合わせれば道は開ける" 【教職員の悩みや疑問に答えて】
子どもたちがすごく切羽詰まっていると感じます。過度に競争をあおる教育は疑問です。
教育の競争原理は政治によって押し付けられてきました。①点数競争の「全国学力テスト」廃止、②入試制度の見直し、など競争原理を一掃する大改革が必要です。
"定額働かせ放題"と言われる教職員の深刻な長時間労働はどうしたら解決しますか。
最大の問題は国の制度が長時間労働の仕組みをつくっていることです。①「教員残業代ゼロ制度」廃止、②授業量に見合った教員の抜本的増員、の法改正を実現させましょう。
高等専門学校はすぐにできるのに、特別支援学校の分離新設はなかなか進みません。
教育の目的が「子どもの人格形成」ではなく、「人材の養成」に重きが置かれてしまっています。特別支援学校の"マンモス校"化は国に大きな責任が。障害児教育の軽視をやめ、教育予算を抜本的に増やすべきです。
不登校の児童・生徒数の増加をどう考えればいいでしょう。
管理・競争教育のエスカレートに伴って不登校の数も激増しています。①子どもを細かいルールで縛るのをやめる、②詰め込みのカリキュラムを見直す、③小中高で少人数学級を、④不登校の子どもに休む権利と学ぶ権利を保障、⑤保護者支援の充実、などが必要です。
「つどい」での志位議長の発言から

戦後80年に語り合う―日本共産党が三井寺(大津市)を訪問

2025年5月18日号 1面掲載

"知恵出し、平和守る輪を広げよう"
山下氏写真
日本共産党副委員長、参院議員(比例予定候補)・山下芳生(よしき)さん
福家氏写真
三井寺(園城寺)長吏・福家(ふけ)俊彦(しゅんげん)さん
"心に平和のとりでを"…福家さん。"今こそ対話と交流"…山下さん

 戦後80年、平和のためにできることは――。日本共産党の山下芳生(よしき)副委員長・参院議員(比例予定候補)が5日、大津市・三井寺(園城寺)を訪れ、福家俊彦(ふけ・しゅんげん)長吏と懇談しました。同党の佐藤耕平参院選挙区予定候補、節木三千代県議が同席しました。  福家長吏は今秋、三井寺境内に「平和といのちをつなぐ碑(九条顕彰碑)」を建立する取り組みに賛同し、呼びかけ人にも加わっています。平和への思いについて福家さんは、「父(先々代長吏・俊明さん)が昭和18年から終戦まで学徒動員で戦争に参加していましたから、私は子どもの頃から体験をよく聞かされてきましたね」と語りました。山下さんは、学徒兵の遺書を編んだ『きけ わだつみのこえ』をあげ、「学生たちが『生きて帰る。俺にはまだまだ人生がある』と書き遺して散っていった、あの時代ですね」と応じました。
 「つなぐ碑」の呼びかけ文には、「ユネスコ憲章」(1945年11月)の一文が含められています。"戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない"――。福家さんは「画期的だ」と言います。「いま、あの(戦前・戦中の)時の同調圧力と似てきていて、"ノー"と言えない。面倒だから、と他人に任せてしまうところもある。そうではなくて、一人ひとりの心に"平和のとりで"を築かなければならないんですね。このことで、ぜひ力を発揮していただきたいと思っています」と期待を寄せました。
 山下さんは「日本共産党の安全保障政策の根本にあるのも対話」と述べ、戦火が絶えなかった東南アジアで東南アジア諸国連合(ASEAN)が対話のルールをつくり、互いを知って紛争を解決する知恵を出し合っていること、それに学んで同党も対話によって東アジアに平和の枠組みをつくる提言を発表したことを紹介しました。
【全文は紙面で】

子どもの医療費 "県内一律で無料に"、保護者らの願い強まる

2025年5月11日号 1面掲載

滋賀県内の小・中・高校生世代の医療費表画像
滋賀県内市町の小・中・高校生世代の医療費(PDF)
"自己負担早くなくして"
18歳まで完全無料は県内13市町

 長年の住民運動と日本共産党などの議会論戦が実り、昨年度ようやく全県で実現した18歳までの子どもの医療費助成。ところが、13市町で完全無料になっているものの、6市では自己負担が残り、全県での完全無料化には至っていません。保護者らからは「県内一律、完全無料に」との声が強まっています。
 県内の子どもの医療費は、就学前が県制度で一律完全無料です。一方、小・中・高校生世代は、13市町が18歳まで完全無料ですが、大津、草津、守山、栗東、野洲、東近江の6市では通院で1診療報酬明細につき500円、うち草津市を除く5市では入院にも1日1,000円の自己負担が残っています(表参照)。昨年度の県制度の拡充で、全市町に18歳まで助成が広がりましたが、今年度は拡充がなく県内一律完全無料化への動きは停滞した形です。
 県内市町に格差が生まれるのは、県制度が就学前と高校生世代のみで、小中生は市町が独自に助成・無料化しているため。さらに高校生世代には県制度が自己負担を設けており、完全無料化するには市町が独自に助成する必要があります。市町からは就学前と同様に、小中生についても県が助成する制度を設けるよう求める声があがっています。
 自己負担を残すことについて各市では財政面のほか、「不要不急の受診を防ぐ」「頻回受診への影響」を理由にしている場合も。しかし、草津市で、1~8歳まで4人の子どもを育てる母親(40)は、「子どもの受診には、病院の予約や親の仕事の調整、受診に伴いきょうだいの世話を誰かに頼んだり、すごく大変。無料だからといって、不要な受診が増えるとは思わない」と話します。

日本共産党"参院選勝利へ"、「JCPサポーターまつり」彦根に800人

2025年4月27・5月4日合併号 1面掲載

「しがJCPサポーターまつり」写真
多くの来場者でにぎわった「サポーターまつり」(19日、彦根市)
党員・サポーターが交流

 「楽しかったし、勇気づけられた」「来てよかった。自分も頑張りたい」――。
 日本共産党滋賀県委員会や、同党のサポーターなどでつくる実行委員会が19日、初めてとなる「しがJCPサポーターまつり」を彦根市内で開催。7月の参院選で同党の躍進を必ずと、山下芳生参院議員(参院比例予定候補)・副委員長を迎えて約800人が交流し、勝利へ決意を固め合いました。
 トランプ関税、石破内閣の迷走…。参院選は国民の命や暮らし、日本の将来がかかった大事なたたかい。「自民党を大本から変える日本共産党を伸ばしてください」。メインステージ企画「公開JCPサポーター会議」で、山下芳生参院議員の力強い声が響きました。
 初開催となった「まつり」の冒頭、主催者を代表して石黒良治党県委員長が「日本共産党の政策や魅力を知っていただきたい」とあいさつ。オープニングを飾って高校生がバンド演奏を熱く披露しました。
 同僚に誘われて「まつり」に参加したという女性(40代・彦根市)は、「職場では政治の話はなかなかできない。仲間がいることが実感できてよかったです」と。京都から参加した20代女性は「楽しかったし、勉強になった。山下さんの話を聞いて勇気づけられた」と話しました。

★詳報は紙面で

発がん性物質PFAS(ピーファス) 県内の浄水場、水道原水で高濃度。"徹底調査が必要"

2025年4月20日号 1面掲載

滋賀県内水道事業所のPFAS検査状況表画像
滋賀県内水道事業所のPFAS検査状況(PFOS、PFOAの合計値。PDF)
日本共産党・山下参院議員が政府追及
県と8市町で飲み水から検出

 昨年度、県と全市町が水道水を調べたところ、わずかな量でも人体に悪影響を与えると指摘されている有機フッ素化合物PFAS(ピーファス)が、県と8市町で飲み水(浄水)から検出されたことがわかりました。専門家は汚染源を特定し、早急に対策を取るよう訴えています。
 PFASは約1万種の物質の総称で、発がん性などの健康被害が指摘されています。代表的な物質はPFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)で、いずれも現在は製造・輸入が禁止されていますが、県内ではわかっているだけでも22事業所がこれまでに使用・保有(県と大津市調べ)。河川や琵琶湖でも確認されており、工場や産業廃棄物から流出したとみられています。
 「滋賀民報」が県と各市町に水道水の検査状況を聞き取るなどしたところ、処理前の水道水(原水)では、PFOSとPFOAの合計値で最大41ng/リットル(県・水口浄水場)。処理後でも20ng/リットル(守山市・播磨田水源地)を検出。アメリカでは飲料水の基準として2物質それぞれ4ng/リットル未満と定めており、守山市は少なくとも2.5倍あります。
 日本共産党の山下芳生参院議員(比例予定候補)・副委員長は公害防止対策や環境の復旧に必要な費用は、汚染者が負担するとした国の環境政策の指針を前提に、首相に半導体企業に対してPFASの使用歴などを報告させ、政府として企業周辺の汚染実態を調査すべきと求めています。

国保料、県内11市町が値上げ。"払えない"、無保険も

2025年4月13日号 1面掲載

滋賀県内市町の国保料(税)と値上げ額表画像
滋賀県内市町の国保料(税)と値上げ額(2025年4月時点。PDF)
県統一化で加入者の負担増
4人世帯で年1~8万円の負担増に

 「あまりに高くて、もう払えない」――。
 4月からの国民健康保険料(税)が、11市町で値上げになったことがわかりました。県が進める保険料統一化の方針によるもので、今後もさらなる値上げが続くとみられます。物価高騰が家計を直撃する中での値上げに、加入者からは悲鳴があがっています。
 値上げになったのは、4月に保険料(税)率を決める16市町のうち、長浜、草津、栗東、甲賀、野洲、湖南、東近江、米原、日野、愛荘、多賀の8市3町。栗東、甲賀両市と愛荘町は2年連続、長浜、東近江、米原各市では3年連続の値上げです。4人世帯で試算すると、年間約1~8万円もの負担増になります(表参照)。5市町は保険料を据え置きましたが、県が保険料統一の目標とする2030年に向けて、基金や繰越金が使えなくなるため、今後の値上げは避けられないとみられます。
 大津市で左官・外構業を営む松田さんは、妻と高校生、小学生の子どもの4人世帯。国保料は現在でも年間で60万円を超えています。「引き落とされた額を見て、毎月『うわ、こんなに』と思う」。物価高騰が続き収入も減る中、昨年には取引先の求めでインボイスにも登録。消費税の支払いものしかかります。「負担ばかりが増えて、労働者も給料は上がらない。今の政治はあまりにも悪すぎる」と憤ります。
 仕事の現場でも、「国保が高い」と話題に。何の保険にも加入せず、保険証を持っていない「無保険」の状態で働いている人もいると言います。
 国保料の都道府県統一化は、医療費削減の一環として国が進めているものですが、保険料が大幅に上がることから統一化を見送る県も出ています。県に統一化の方針を撤回させ、国庫負担の大幅引き上げを求める幅広い運動が緊急に求められています。

三井寺(大津市)に憲法9条の石碑建立へ

2025年4月6日号 1面掲載

「平和といのちをつなぐ碑(九条顕彰碑)」呼びかけ人会見写真
(左から)橋本、近藤、福家、村西各氏(27日、県庁)
「平和といのちをつなぐ碑」
各界34氏が呼びかけ

 今年は戦後80年。世界各地で戦争と紛争が絶えない中、平和への願いを伝え広げようと、憲法9条の条文を刻んだ石碑が大津市の三井寺境内に建立されます。三井寺の福家俊彦(ふけ・しゅんげん)長吏をはじめ、34氏が石碑建立事業への賛同を呼びかけています。
 建立されるのは、「平和といのちをつなぐ碑(九条顕彰碑)」。27日、呼びかけ人を代表して、福家長吏、近藤學(滋賀県平和委員会代表理事)、村西俊雄(元滋賀県町村会長)両氏と、滋賀首長九条の会共同代表の橋本健氏の4人が県庁内で会見を開きました。
 発表した呼びかけ文では、世界情勢を「『新しい戦前』を想起させるかのような事態」と指摘するとともに、日本の「戦争の時代」へ逆行する動きを危惧。そうした中、戦争放棄・戦力不保持をうたった憲法9条の精神を顕彰する碑を建立することで、平和への取り組みをいっそう活性化させたいとしています。
 建立に向け、今月20日に「平和といのちをつなぐ碑(九条顕彰碑)を建てる会」の結成総会を開催し、賛同者を募って建立費用約300万円の募金に取り組み、10月中に建立、11月3日に除幕式を行う予定。問合せは事務局・藤澤直広さん(090-9985-3887)

声をあげ広がってきた!! フリースクール利用世帯へ支援

2025年3月30日号 1面掲載

滋賀県内市町のフリースクール利用世帯への支援表画像
滋賀県内市町のフリースクール利用世帯への支援(新年度。PDF)
新年度、実施は県内10市3町に
滋賀県が市町へ財政支援
"制度充実を"、高まる声

 いよいよ新年度。フリースクールなどを利用している子どもがいる世帯に利用料の補助を行う県内の市町が、4月から13市町になることがわかりました(表参照)。
 フリースクールは不登校の子どもたちにとってかけがえのない居場所ですが、利用料など経済的な負担が重く、公的支援を求める声があがっていました。支援の拡充や、不登校がなくなる学校・社会をめざして、関係者らが運動を強めています。
 草津市や甲賀市など13市町は新年度、子どもがフリースクールなどを利用している世帯に月1~5万円を上限に支援するとしています。大津市と愛荘町が新たに実施し、彦根市と日野町が上限額を引き上げます。支援は、2023年度は6市町に留まっていましたが、2年間で倍以上に増えています。
 県は今年度、フリースクールなどを利用している保護者と子どもに毎月アンケートを実施し、月5,000円の協力金を市町を通じて支払っていました(実施は16市町)。アンケート(8月時点)には、不登校の子をもつ保護者の半数が「収入が減った」と回答。約7割の保護者がフリースクールへの送迎を担い、退職や休職、遅刻、早退をしているケースが少なくないことがわかりました。
 近江八幡市は市内のフリースクールなどの施設に対して200万円を上限に財政支援。日野町では新年度から、教員免許をもつ町職員を町内のフリースクールに派遣して、学校などとの連携や子ども・保護者の支援強化を図る新たな事業も。県内の保護者や関係者からは、利用世帯への支援拡充とあわせて、こうした施設への補助や、関係各所の連携を強める取り組みなどに期待が高まっています。

《安全でおいしい給食を無償に》"国の責任で"、願い強まる

2025年3月23日号 1面掲載

新年度の滋賀県内小中学校の給食無償化の状況表画像
新年度の滋賀県内小中学校の給食無償化の状況(PDF)
小中とも無償県内5市町へ
広がる自治体間の差

 各地で市民運動が強まる学校給食の無償化。国会でもようやく先月、石破首相が「早期に制度化したい」と答弁するなど注目される中、新年度の給食費の状況を19市町に聞き取ると、新たに2市が無償化をめざしていることがわかりました(表参照)。
 小・中ともに給食費が完全無償の自治体は5市町に(予定含む)。一方、2市が値上げを予定しており、自治体間の差がますます広がる事態になっています。
 給食無償化については近江八幡市議会で先月25日、小西理市長が「食育は義務教育の一環であると考える」と述べ、2026年度からの完全無償化を表明。25年度に必要な条例改正などを行うことを明言しました。市によると無償化のために必要な額は年間約3.1億円で、私立や県立の学校に通う児童生徒の給食費も補助する方針です。
 今年度から中学校給食を無償化した草津市では、国の物価高騰対応臨時交付金を活用し、新年度から小学校でも1学期分(4~7月)の給食を無償化する予定です。
 一方、長浜、東近江両市では4月から給食費を値上げ。愛荘町でも物価高騰を受け、来年度中に検討委員会を立ち上げて変更を検討すると回答しました。
 給食無償化は、「義務教育は無償」という憲法に則って市民運動が起こり、日本共産党などが議会で取り上げるなどして2018年頃から全国の自治体で急速に広まってきました。こうした世論に押され、首相も「制度化をめざす」と表明。しかし財源などの具体策は示しおらず、県内でも「国の責任で給食無償化を早く」との声が強まっています。

原発事故から14年…"こんなひどい国はない"。避難者・青田夫妻に聞く

2025年3月9・16日号 1面掲載

青田惠子さん布絵写真
惠子さんは事故後、失われた故郷への思いと原発への怒りを詩と布絵で表現し続けています。
いっそうの原発回帰に怒り
福島県南相馬市から大津市に避難―青田勝彦さん、惠子さんに聞く
強いられる「対立と分断」

 福島第一原子力発電所(東京電力)事故から、間もなく14年。政府が原発回帰に舵を切り、最高裁などで国の責任を認めない判決が続く今、福島県南相馬市から大津市に避難し、滋賀から反原発の声を上げ続けている青田勝彦さん(83)、惠子さん(74)夫妻に話を聞きました。
あらゆることが"自己責任"  メルトダウンが起こり、大量の放射性物質が流れ出た世界でも最悪レベルの原子力事故。多くの住民が故郷や暮らしを奪われ、今もさまざまな影響が続く中、2人が繰り返し訴えてきたことの一つが、被害住民にもたらされた「対立と分断」です。
 国は「(被ばく線量の)平常時の基準値は年間1ミリシーベルト」とする一方、20ミリシーベルト以下は"リスクがあっても小さいとされる範囲"として次々と避難指示を解除。住民に帰還を促していきます。「以降はさまざまな支援が打ち切られていきました。福島に戻らない人には『お前らが(福島は)危険だとあおっている』『国が安全だと言ってるのに』などの誹謗中傷も。これまでのつながりが、ズタズタにされました」。
なかったことにするのか  「何が復興だ、ばかにしてんのか」「原発は国策。なのに事故を起こしても国は謝りもしなければ、被害者はほったらかしで、電力会社を擁護する。全部奪い、勝手に終わったことにして、まだ原発を進めようとする。こんなひどい国はないですよ」。2人はやりきれない怒りとともに、事故への関心が薄れていく社会に危機感を募らせます。
事故は明日かもしれない  夫妻は言います。「二度とフクシマを作ってはなりません。ましてや滋賀は福井の原発銀座に隣接。原発がある限り事故は起きます。それは明日かもしれない」

県内大企業32社、内部留保13兆円増。2%で10%賃上げ可能

2025年3月2日号 1面掲載

滋賀県内大企業32社の内部留保額表画像
滋賀県内大企業32社の内部留保額、賃上げ可能額(表は紙面で)
"賃上げ、地域経済に回せ"
「滋賀民報」試算
19社で労働者減らし

 長引く物価高騰に賃金が追いつかず、県民の暮らしがいっそう厳しくなる中、県内に事業所を置く大企業32社の内部留保(2023年度)が、前年度より13兆1,835億円増の108兆7,742億円にのぼっていることがわかりました(表参照)。「滋賀民報」が試算してみると、内部留保の約2%を取り崩すだけで10%以上の賃上げが可能となります。
 内部留保は、企業が様々な理由でため込んでいる資産です。「滋賀民報」が調べてみると、2023年度は32社のうち30社が内部留保を増やし、その総額は増加額も含めて過去最高。最も多かったのはトヨタ自動車の36兆7,379億円(前年度比4兆6,860億円増)で、全体の33%を占めています。次いでNTTの10兆4655億円。増加額では、MS&ADホールディングス(三井住友海上火災保険などの保険会社を有する保険持株会社)が、トヨタ自動車に次いで前年度より1兆3,476億円増やしていました。
 その一方で、32社のうち19社が従業員数を減らしていました。削減数が最も多いのはキヤノンで1万1,624人、日本精工が4,533人、ブリヂストン4,063人など、いずれも製造業。キヤノンは内部留保を前年度より1,398億円増やしており、「人減らしを進めてため込んでいる」との批判は避けられません。
 こうした中、「滋賀民報」が試算すると、32社の内部留保総額の1%を取り崩すだけで全従業員(臨時含む)に月額3万3,104円の賃上げができ、平均2.12%を取り崩せば、10%の賃上げを実現できることがわかりました。

国保・2025年度滋賀県標準保険料、4年連続値上げに

2025年2月23日号 1面掲載

滋賀県が算定した2025年度標準保険料表画像
滋賀県が算定した2025年度標準保険料(PDF)
"保険料(税)下げて"
県への納付金減額がカギ

 県が6日、2025年度の各市町の国民健康保険料(税)の標準保険料を公表しました(表参照)。
 4年連続値上げで、4年間の伸び率は20%以上。県は27年度に保険料の県内統一化を行うとしており、さらなる値上げが予想されるため反対の声が強まっています。
■県への納付金が増加  国民皆保険制度の要と言われる国民健康保険制度。保険料(税)が年々上がり、制度自体が立ちゆかなくなる危機に直面しています。
 市町の国保料(税)が年々上がる直接的な原因は、国保会計が2018年度から県に一本化され、県が市町に求めている納付金が年々引き上げられていることにあります。県が納付金を下げる独自の方策をとらず、納付金を納めるために市町が一般財源から繰り入れることも事実上禁じているため、市町は国保加入者に負担を求めるほかなく、取り立ての強化にもつながりかねません。
 高すぎる国保料はすでに加入者の暮らしを圧迫しています。
■県統一化で"絶対に高くなる"  県は27年度から、全国に先んじて保険料を統一化させようとしており、市町が県に納める納付金はさらに引き上がることが懸念されています。
 県内の複数の市ではすでに統一した後の保険料(税)の見込みを示しています。野洲市の見込みをもとに日本共産党の小菅康子市議が統一後の保険税額を試算すると、40歳未満の夫婦(所得310万円)と子ども2人の世帯では、今年度と比べて年14万円以上高くなり、67万3,011円(見込み額)にもなることがわかりました。



お知らせ

 8月10日付と17日付を合併号にして8月10日付で発行することにしましたので、お知らせいたします。ご了承ください。

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