今週のイチオシ記事!
毎週の「滋賀民報」から編集部イチオシ記事をお届けします。※記事本文については、一部割愛している場合があります
墜落オスプレイ、直前に県内を飛行 「滋賀でも起こり得る」
2023年12月10日号 1面掲載

「滋賀民報」が撮影→
在日米空軍のCV22オスプレイが29日午後、鹿児島県屋久島沖で墜落し、乗務員6人が死亡、2人が行方不明(4日時点)となる重大事故が起こりました。
墜落の3時間前、このオスプレイと見られる機体が大津市上空を飛行するのを本紙記者が目撃し撮影。各地の監視情報から墜落機が県内を通過していたことが明らかになりました。
「欠陥機」で事故を繰り返すオスプレイ。県内では「滋賀で落ちたかもしれない」「飛行するな」と怒りの声が広がっています。
◆
県内では同日11時41分と51分、12時20分、重低音に気づいた本紙記者が社屋(大津市)北側から、上空を西方面に飛行するオスプレイを目撃し、撮影しました。墜落したのは、このうちの1機。航空レーダーのサイトによると、オスプレイは三重県境から県内に入り、甲賀、栗東、草津、大津各市の上空を通過した後、京都方面に向かいました。
◆
県民にとって危険なのは、県内上空を通過する「飛行ルート」が常態化し、オスプレイの飛行が日常化していることです。
県内でのオスプレイの飛行は本紙が確認しただけでも、21年に22日(のべ38機)、22年に24日(32機)、23年は15日(27機=11月末まで)にのぼり、19年(5日)や20年(2日)の数倍に激増しています。
財界・アメリカ言いなり政治「もとから変える党」・日本共産党演説会、900人で熱気
2023年12月3日号 1面掲載

小池書記局長ら訴え
日本共産党が23日、大津市内で同党の小池晃書記局長を迎えた演説会を開きました。
小池氏は、総選挙で同党の比例近畿2議席の絶対確保と議席増、小選挙区の黄野瀬明子1区、佐藤耕平3区両予定候補の勝利で「岸田政権を倒し、希望の持てる新しい日本をつくろう」と力強く訴え。会場は参加した約900人の熱気にあふれました。
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小池氏は、イスラエル軍によるガザ攻撃を「国際人道法違反だ」「今すぐ停戦を」と訴え、「停戦」を言えない岸田首相を批判。岸田政権の支持率急落について、自民党の政務3役の辞任、金銭疑惑、辺野古新基地建設のための埋め立て強行などを指摘。同党の「経済再生プラン」を紹介し、大幅賃上げ、非正規ワーカー待遇改善法の実現、県内での病院統廃合をやめさせようと訴えました。
岸田政権がすすめる大軍拡の問題では、県内の自衛隊基地の強靱化、饗庭野演習場の実弾訓練事故、オスプレイの市街地上空飛行の日常化も示し、「これ以上、県民を危険にさらすことは許されない」と。さらに大軍拡優先で暮らしに背を向ける悪政の根本にある「アメリカいいなり」「財界のもうけ最優先」のゆがみを指摘し、「政治を『もとから変える』ことができるのは、大企業からお金を一切受け取らない共産党だけ」「この党が強く大きくなれば政治は必ず変わる。総選挙では『比例は共産党』と広げに広げて」と呼びかけ。参加者から大きな声援が飛び、拍手がわきました。
国スポ用プール(草津市)追加工事に6億円。打ったばかりのコンクリを掘削
2023年11月26日号 1面掲載

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水泳連盟の"おねだり"で
2年後の国民スポーツ大会(国体)の会場の1つで滋賀県と草津市が建設をすすめる巨大プール(仮称・草津市立プール)について、草津市議会が16日、飛び込みプールの工事に約6億円を追加する予算を日本共産党以外の賛成多数で可決。
総事業費は156億円(うち県負担81億円)に膨れ上がり、県民からは「税金を湯水のように使うな」などの怒りが強まるのは必至です。
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追加工事は、日本水泳連盟が9月6日、県と市に提出した要望書が発端です。水泳連盟が「国際レベルで活躍する選手の育成などが実施できる拠点施設を必要としている」「この役割を担うために、優れた施設を」などとして水深を深くする工事を要求し、県・市が受け入れました。
工事は水深3.75m部分を5mに改修。しかし、基礎工事はすでに終えているため、打ったばかりのコンクリートを撤去して、土壌を掘削し、再度コンクリート工事が必要に。完成している周辺部分を壊さないようにするため、重機が使えず、市は人力が中心の工事になると言います。
草津市議会では、日本共産党の西川仁市議が、水深変更の経緯や、市民不在などの問題点を追及。市は現在の水深3.75mは「(連盟に)承認を得て整備していた」としながら、「(連盟から)変更の依頼があり、県と検討した結果、水深変更をすべき」(建設部理事)と、連盟言いなりの姿勢を示しました。
一方、県は三日月大造知事が「水深の改良を加えることにした」とコメントしましたが、県議会では議論されていません。
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国スポの目的は、スポーツ普及や振興、国民の健康増進、体力向上などで、超一流のアスリート育成ではありません。現状でも「西日本最大級」と言われるプールを、さらに豪華にする工事は、全国的に進められている「簡素化」の流れにも逆行しています。「県が水泳連盟の"おねだり"に応えるのか」と疑問の声も出ています。
問題だらけ万博に滋賀から"助け舟"。2.5億円でチケット購入
2023年11月19日号 1面掲載
校外学習なども活用。"やっぱり中止しかない"
滋賀県が県内在住の4歳~18歳の計約18万人を招待――。「大阪・関西万博」(2025年開幕予定)をめぐって、こんな計画が進められています。建設費の大幅増や工事の遅れなどの問題が噴出し、「中止を」の声があがる万博に、税金で子どもたちを動員しようとすることに、抗議の声が上がるのは必至です。
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公費で子どもたちのチケットを購入すると表明しているのは、近畿で大阪府以外には滋賀だけ。県によれば、4歳~18歳の約18万人分のチケット代は約2.5億円。小学6年生以上は校外学習など学校の「教育旅行」も活用し、チケットの受付などを業者に委託する費用もかかるといいます。
県は9月に発表した来年度の予算編成方針の「重点テーマ」に万博を加え、「レガシーの創出」などとして集中的に取り組むと表明。関西広域連合(会長=三日月大造知事)が建設するパビリオンでの展示、会場内でのイベント出店などにも予算を投入する構えです。
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滋賀県の約18万人の子どもたちは、破綻が明白な万博と、窮地に立つ維新の"助け舟"にされるとも言えます。県民から「子どもたちを利用するな」と声が上がるのは避けられません。
【滋賀の「失われた30年」】賃金が"月3万円(平均)も下がった"
2023年11月12日号 1面掲載

2日に経済対策を打ち出したばかりの岸田内閣の支持率が28%(共同)と過去最低を更新。自公政権が生み出した長い経済停滞から目を背け、小手先の対策に終始する内閣に批判の声がやみません。
こうした中、滋賀県の賃金が直近30年間でマイナスに落ち込んでいることが「滋賀民報」の調査でわかりました。マイナス幅は全国よりも大きく、「失われた30年」と言われる経済停滞は滋賀でより顕著に現れています。
◇
労働者が受け取った給与(名目賃金)の平均月額は、滋賀で1993年に約34.4万円だったのが、2022年には約31.2万円に。月3.2万円もの減収です。全国では35.3万円が32.6万円となり、2.7万円の減収(いずれも毎月勤労統計調査より算出=5人以上の事業所)。減収率は全国がマイナス7.6%に対し、滋賀はマイナス9.3%でした。物価変動を加味した実質賃金では、滋賀はマイナス13.3%。OECD各国が約1.3~1.5倍に伸ばしている中、日本と滋賀の停滞は顕著です。
賃金のコストカットのために財界がすすめたのが、非正規雇用の拡大です。滋賀県では直近30年間で正規雇用者数はほとんど変わらず、非正規雇用者数が14万人から26.7万人にほぼ倍増。非正規率は26.3%から40.2%に高まりました。
その一方、県内に事業所がある主な大企業(31社)がため込んだ内部留保は、91年に12兆円だったのが、22年に89兆円と空前の規模にふくれあがっています(「滋賀民報」既報)。
抗議の声やまず―東近江市長のフリースクール暴言
2023年11月5日号 1面掲載

東近江市の小椋正清市長が17日、県内の首長が不登校について話し合う会議で、「(フリースクールは)国家の根幹を崩しかねない」などと発言。
子どもの学習権保障や学校外での教育機会の確保に努めるべき自治体の首長がフリースクールを否定したことに、抗議の声がやみません。
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東近江市では、不登校の子を持つ保護者らが9月、不登校の子どもたちのかけがえのない居場所になっているフリースクールへの支援を求めて署名を小椋市長らに提出。市議会にも請願し、先月、全会一致で採択されていました。
17日の会議は県などが主催し、知事と14市町長が参加。東近江市長の発言に異論は出ませんでした。会議後、市長は「不登校の大半は親の責任」とも発言。撤回を求められても「撤回して何の効果があるのか」(25日)と突っぱねました。
市長の発言には、全国から抗議の声が起こり、撤回を求める署名は3万5,000筆以上に(29日現在)。市役所には抗議などの電話とメールが25日までに600件以上寄せられました。市民団体などは市長の発言について、▽フリースクールや不登校の実態を知らないまま、誤解と偏見でスクールの存在を否定し、不登校の責任を家庭に押し付けるなど、無責任に子どもや支援者を追い詰めた、▽憲法、教育機会確保法、こども基本法、子どもの権利条約に反し、子どもの人権を脅かしている、▽市民の署名と市議会の決定を軽視している、と指摘し、撤回や対話の場を設けるよう求めています。
- フリースクール・NPO法人「Since」代表理事・麻生さん
- 市長とは対立するのではなく、現場を知ってもらい、共に必要な施策を考え、国や県に訴えていくことを望みます。
- 不登校の子どもを持つ東近江市の保護者・都志さん
- 不登校が問題なのではなくて、それを問題としか捉えられないことが問題ではないでしょうか。変わるべきは大人です。
- 登校拒否・不登校問題滋賀県連絡会(みどりのひろば)代表・宮本さん
- 学校以外の学びの場や居場所がしっかりと位置付けられ、保障されることももちろんですが、なぜ不登校が生まれるのかに目を向け、学校教育を変えていくべきです。
イスラエル、パレスチナ(ハマス) "即時停戦を"、ガザから悲鳴
2023年10月22日号 1面掲載

「市民アクション滋賀」が緊急抗議
イスラエルとパレスチナのイスラム組織ハマスが7日、戦闘を激化させ、1週間で双方の死者は約4,000人に。イスラエルはパレスチナ・ガザ地区へのインフラを遮断し、大規模侵攻を表明。同地区は完全封鎖されており、侵攻が行われれば市民におびただしい犠牲が出ることは避けられません。
繰り返される軍事衝突で、巻き添えになるのは市民。滋賀でも県民から「即時停戦を」「武力では解決できない」の声が上がっています。
◇
「9条改憲NO!市民アクション・滋賀」が14日、大津市内で「イスラエル、パレスチナ・ハマスは戦闘をやめよ。すべての暴力・戦争に反対する緊急宣伝」に取り組み、参加者が「暴力の応酬やめよ」「ガザへの地上侵攻するな」と訴えました。
日本共産党の県市議らも参加。同党の節木三千代県議は、「国際社会が一致団結して、戦争をやめよと声を上げるべき。軍事的対立では戦争を終わらせることができない」と力を込めました。
◆"どうか生き延びて"―ガザの女性を支援してきた「パレスチナ・アマル」代表・北村記世実さん
「病院前の路上に遺体が」「家族や子どもを守ることができない」「ガザにいる誰もがいつ死んでもおかしくない」。パレスチナ・ガザ地区の女性たちからの途切れ途切れの連絡が、北村記世実さん(「パレスチナ・アマル」代表=守山市)の不安をかきたてます。緊迫した現地の状況に「どうか生き延びて」と。
○続きは紙面で
増え続ける《ため込み利益》内部留保・県内大企業17社で54兆円
2023年10月15日号 1面掲載

"取り崩し、好循環を"
長引く経済低迷に物価高騰の波が襲い、暮らしは限界です。そんな中、トヨタ自動車やキヤノンなど県内の主な大企業の内部留保が、昨年度からおよそ3兆円増加し、54兆円以上になっていることが「滋賀民報」の試算でわかりました(表参照)。
膨らみ続ける内部留保を取り崩し、経済の好循環を作り出す「抜本的改革」を求める声が強まっています。
◆
「滋賀民報」の試算は、県内に事業所を置く大企業の決算書類から、利益剰余金、資本剰余金、長期引当金などを合計したもの。17社のうち14社が内部留保を増やしており、最大はトヨタ自動車の29.9兆円(前年から約2兆円増)で、全体の55%を占めます。次いでキヤノンの4.3兆円、パナソニックの3.3兆円など軒並み増加。
全国的にも、大企業(資本金10億円以上、金融・保険業含む)の2022年度の内部留保は511.4兆円と、過去最高を更新。その一方で、日本は世界でも特異な「賃金が上がらない国」となっています。
大企業の利益を優先する自民党政治が行き詰まる中、日本共産党が先月、経済構造を大本から変え、暮らしに希望を届ける「経済再生プラン」を発表。▽内部留保に時限的に課税し、中小企業支援の財源をつくる、▽課税の際に賃上げ分を控除することで、大企業の賃金も上げる、ことなどを提案しています。
PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)≫県内の河川・水道水で米国基準の最大5倍以上
2023年10月8日号 1面掲載

残留性が高く、発がん性など人体への悪影響が指摘されている有機フッ素化合物PFOS(ピーフォス)、PFOA(ピーフォア)が県内の河川や水道水から検出されていることがわかりました(地図参照)。
河川では最大41ppt(1リットル当たり41ナノグラム)が検出され、アメリカの基準値案(両物質の合計8pptへの厳格化を審議中)の5倍以上になります。浄水(飲み水)でも高い濃度で検出されており、全県の実態把握や汚染源の特定が急務となっています。
◇
PFOS、PFOAは有害で分解されにくい化学物質で、わずかな量でも重大な健康被害を引き起こすと指摘されています。全国各地で米軍や自衛隊の基地、工場などの周辺で汚染が発覚し、大きな問題となっています。
県内では環境省による全国調査のほか、県が河川25ヵ所や琵琶湖10ヵ所を調査。各市町の水道事業所が浄水などを検査しています。「滋賀民報」が結果をまとめたところ、5河川で県の基準値(35ppt)を超え、和邇川(大津市)では最大の41ppt。柳川(大津市)で38、十禅寺川(草津市)で37、守山川で37、家棟川(野洲市)で36を検出していました(それぞれ21、22年度の県調査の最大値)。琵琶湖では新杉江港沖(守山市)が最大の11(21年7月)でした。
浄水では県内市町の水道事業所のうち、検査を実施しているのは10事業所で、守山、栗東両市の浄水から30pptを検出。草津市の浄水、近江八幡市の地下水系の浄水でも、アメリカの基準値案を超える数値が出ています。しかし、全県の検査数はごくわずかです。高島、大津両市内の自衛隊基地(米軍やインド軍が共同使用)や工場排水、産業廃棄物などの影響もわかっておらず、検査の拡充は不可欠です。
PFOS、PFOA汚染は、住民の命と健康に関わる問題です。欧米では基準値を大幅に下げたり、有機フッ素化合物を包括的に禁止し、排出責任者に汚染除去の義務を課すなどの動きが活発化しています。国・県・市町による一刻も早い実態把握と規制強化、汚染対策が求められています。
県立で高専(高等専門学校)整備に113億円投入案…国の補助、学校運営など不透明のまま
2023年10月1日号 1面掲載
(滋賀県野洲市)


滋賀県が9月県議会に提出
"見切り発車だ"、関係者らも厳しい指摘
県が20日、2028年4月に野洲市内で開校をめざしている県立高等専門学校(高専)の整備費として、113億円の補正予算案を県議会9月定例会(10月13日閉会)に提出。ところが国からの補助金や学校運営の見通しは立っておらず、巨額の事業に突っ走ろうとする県に、疑問の声が上がっています。
◆
県立高専は、「滋賀は全国で高専がない5県の一つ」と産業界が設置を強く要望し、全国的にも自民党の議員連盟が2015年、「高専を全県に」と提言するなど、設置ありきの産業界と自民党に押されて浮上しました。
県は当初、国立高専の設置を求めましたが、国は「厳しい財政状況」を理由に、「困難」と回答。その後も産業界に突き上げられ、県立で高専を開校する計画で21年以降、高専の元校長や企業、ビジネス紙記者らによる懇話会などを開いてきました。しかし、具体的な学校のあり方についての議論は煮詰まらず、100億円を超える整備費にも、自民党県議らから「さらに増える恐れがある」と指摘される始末です。
◇
開校後の運営費(授業料などの収入と支出の差)について、県は年7億円と推定。うち3億円を毎年、一般財源から支出する見込みです。国の補助を活用するとしていますが、認可は不透明で、厳しい県財政をさらに圧迫する恐れがあります。
滋賀県内2.6万人が国の監視下 「土地利用規制法」
2023年9月24日号 1面掲載
自衛隊施設名 | 1㎞範囲の土地所有者 | |
---|---|---|
世帯数 | 人口 | |
大津駐屯地(大津市) | 8,955 | 20,128 |
今津駐屯地(高島市) | 2,545 | 5,789 |
饗庭野分屯基地(同上) | ||
合計 | 11,500 | 25,917 |
政府が11日、一昨年6月に強行成立された土地利用規制法に基づく規制対象(注視区域、特別注視区域)の候補地として、大津、高島両市内の3ヵ所(全国180ヵ所)を示しました。県内では初めて「戦争する国づくり」と連動し、国民監視・弾圧をねらう策動に怒りが強まりそうです。
◇
規制対象の候補地3ヵ所は、陸上自衛隊・大津、今津(高島市)両駐屯地と航空自衛隊・饗庭野分屯基地(高島市)。政府は今後、県と大津、高島両市から意見を聴取し、年内にも区域指定を狙っています。高島市は来月13日までに意見を提出すると言います。
区域指定されれば、周辺1km範囲が監視対象になり、政府が自衛隊施設の機能を阻害する行為と判断すれば、中止を命令・勧告し、従わなければ刑事罰が科されます。「特別注視区域」とされた饗庭野分屯基地の周辺1kmは、土地の売買で国に届け出が必要になります。
3ヵ所の土地所有者数は、約2万6,000人(「滋賀民報」試算=2021年5月時点。表参照)にのぼるとみられます。今津駐屯地周辺の住民らでつくる「あいば野平和運動連絡会」は13日、政府の指定について「財産権、プライバシー、思想・良心の自由といった憲法上の権利を侵害しかねない」と指摘。土地利用規制法の本格運用に断固反対し、抗議する声明を発表しました。
"補聴器購入に補助が出た"、滋賀県内5市町で実施
2023年9月17日号 1面掲載
助成額(上限) | 助成対象 | |
---|---|---|
長浜市 | 4万円 | 65歳以上で世帯が住民税非課税 |
東近江市 | 2万円 | 65歳以上 |
豊郷町 | 2万 | 18歳以上で住民税非課税 |
甲良町 | 4万円 | 18歳以上 |
多賀町 | 2万 | 18歳以上で住民税非課税 |
認知症予防に期待
18日は「敬老の日」。「聞こえ」を補う補聴器の購入費を補助する自治体が広がり、喜ばれています。
県内では、昨年までは豊郷町だけでしたが、今年は長浜、東近江、甲良、多賀の4市町が新たに実施(表参照)。日本共産党の議会論戦、年金者組合や生活と健康を守る会の請願などが実ったものです。認知症の予防にもなるとして、他の市町でも「ぜひ助成を」の声が広がっています。
◇
甲良町は4月から、「聞こえ」の低下がある人のコミュニケーション確保や社会参加、認知症予防などを目的に、上限4万円の補聴器購入費助成を始めました。助成を利用して補聴器を購入した女性(79)は、「15年ほど前から補聴器や集音器を買ってきましたが、あまりいいものではなく、ほとんど使っていませんでした。特に夫の声が低くて聞こえづらくて会話も減り、『これでは認知症になる』と思っていたんです。ちょうど買い換えようと思っていた矢先で、4万円は助かりました。新しい補聴器はやっぱり聞こえやすい」と喜びます。
◇
聴力は40歳代から少しずつ低下すると言われ、国の研究機関の調査によれば、難聴者数は65歳以上の約半数(県内約19万人)にのぼると推定されています。しかし補聴器は、10万円前後から数十万円もする高額な機器。国の補助は、障害認定による制度しかなく、保険適用もないため、多くの難聴者が全額自己負担を強いられています。購入費への助成は、誰もが補聴器を使えるようにする上で欠かせません。
新型コロナ・感染高止まりの中、対策は9月末打切り!?確保病床280→34
2023年9月10日号 1面掲載

コロナ病床の確保や行政検査、治療薬の公費負担など、国と県が行ってきた新型コロナウイルス対策の多くが、今月末で打ち切られようとしています。
県内の感染拡大は高止まりで、医療・介護施設のクラスター(集団感染)も多発。打ち切りが強行されれば、患者や医療・福祉現場に大きな負担が押し付けられ、適切な治療や検査が受けられないなど、命にかかわる事態を招きかねません。
◇
県内のコロナ感染者数は、5月に感染症法上の位置づけが5類に変わって以降、増加傾向が続いています(図参照)。入院患者は、県が確保しているコロナ病床数(約280床)を超えており、先月、入院できずに高齢者施設に留め置かれている患者が80人以上に。一方、5類移行後、日ごとや市町別の感染者数が発表されず、感染拡大の状況はつかめなくなっています。
こうした感染の高止まりの状況にもかかわらず、政府はコロナ関連の補助などの期限を9月末までとしています。県は政府が延長の方針を示さなければ、これまで続けてきたコロナ病床の確保や宿泊療養施設、医療機関・介護・福祉施設での行政検査、クラスター発生数や病床使用率の公表などを打ち切る予定で、多くのコロナ対策事業がなくなります。病床確保が終了すれば、感染症専用の病床は、指定医療機関(全県34床)に限定され、医療機関の混乱や、患者が入院できない事態を招くのは避けられません。
関東大震災直後に「朝鮮人」など取締り強化―県公文書に記録
2023年9月3日号 1面掲載

「滋賀民報」調査で明らかに
100年前の「警備事務記録」に記載
行政のあり方を問う貴重な資料
死者10万人以上という、過去最大の犠牲者を出した関東大震災から1日で100年。震災による被害者とは別に、朝鮮半島出身者や社会主義者などが虐殺される事件が起きました。
虐殺のきっかけとなったデマ・流言と、滋賀県とのかかわりを示す当時の資料が県立公文書館に残されていることが「滋賀民報」の調査でわかりました。専門家は、ほとんど明らかになっていない当時の県内の様子を示す貴重な資料と指摘します。
◇
今回明らかになったのは、県立公文書館が保管している100年前の10月に作成された「賑恤(しんじゅつ)救済 関東震災救援関係書類」に収録されている「関東地方震災に関する警備事務記録」の記述。滋賀県警が作成した記録の写しを、被災者支援を担当した県社会課が保存していたものとみられます。
文書には、朝鮮の人々に対する滋賀県警や行政の偏見が表れており、県内にも広がっていたデマを完全に否定しないばかりか、取り締まりの強化を図る中で、迫害に加担する一端が記されています。
◇
当時、県内には朝鮮半島の出身者が約1,000人、主に労働者として暮らしていたと推定されていますが、デマの被害が県内にどれほど及んでいたかは十分検証されていません。凄惨な虐殺事件から100年を経て明らかになった文書を通じて、権力や行政のあり方を問い直すことが求められています。
酷暑なのにエアコンを我慢。低所得世帯、電気代が気になって…
2023年8月27日号 1面掲載
自治体 | 制度内容 | 対象 |
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長浜市 | 購入・設置費、修理費を補助。最大5万円 | 使用できるエアコンがない65歳以上の世帯 |
米原市 | 購入・設置の2分の1を補助。最大5万円 | 75歳以上で市民税非課税の世帯 |
豊郷町 | 冷暖房費を助成。年8,000円 | 65歳以上の世帯 |
30℃を超える室内で、扇風機でじっと暑さに耐える男性。「エアコンを我慢」――。
酷暑の中、電気代などを気にしてエアコンをつけたくてもつけられない低所得の世帯から悲痛な声が出ています。
県内の8月1~20日の熱中症による救急搬送者数は255人(速報値)と、すでに昨年8月を上回る深刻な状況。命にかかわる問題として、安心して冷房をつけられる支援が求められています。
◇
大津市内のアパートに住む男性(75)は、単身で生活保護を利用しています。エアコンはあるものの電気代を節約するため、窓を開け、扇風機を回すだけで暑さに耐えています。我慢できない日中でも、エアコン使用は部屋が冷えるまでの短時間。「だいたい1時間以内で切るかな」
取材した日、大津市は最高気温36℃の猛暑日。夕方でもエアコンを切ると、室温は10分ほどで30℃を超えました。男性のアパートでは数年前、入居者が熱中症とみられる状況で亡くなっているのが見つかり、アパートの管理人からもエアコンをつけるよう言われています。「そう言われても元々カツカツなのに無理」と訴えます。
"目を覚ませ"と負の史実が言う―「浄土宗平和協会」理事長・廣瀬さん
2023年8月13日号 1面掲載

戦後78年。岸田政権は5年間で43兆円という大軍拡を進め、日本を「軍事国家」へと変えようとしています。再び戦争を起こさないためにはどうすれば…。
今こそ、過去から学び、過去を生かす必要があると説くのは、願海寺(大津市)の住職・廣瀬卓爾さん(78)です。
廣瀬さんが理事長を務める「浄土宗平和協会」は、浄土宗のかつての戦争協力を検証・総括した「報告書」を作成。先月、公表しました。これまで公にされなかった〝負の史実〟が訴えかけるものは――。
◇◇◇
「浄土宗平和協会」が特別委員会を立ち上げ、戦時中の浄土宗の活動に関する検証作業を始めたのは2019年11月。宗教界は戦前、日本が行った侵略行為に、戦争協力という形で加担。浄土宗では戦後、一部の人たちが学術研究として検証した「論文」が出たものの、周知されることはありませんでした。
「不殺生戒」を厳格に守るはずの僧侶が信徒を戦場に駆り立てた教説と、戦時下の浄土宗の活動を史料をもとに検証した報告書は、全169ページの大作。当時、浄土宗の要職にあった人たちが「私達に取つて陛下は『阿弥陀』でまします」と本尊と天皇を同一視させる教説を打ち出し、「天皇のために命を落とすことは立派なこと」と教え、広げた事実なども、すべて公表しました。
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報告書の作成に、「今さら過去を掘り起こしてどうする」という消極論があったと言います。それを打ち破ったのは、集めた戦時資料が伝える仏教徒らの無念の思いでした。
戦地で俘虜(ふりょ)収容所の所長を務め、戦後、戦犯に問われた僧侶が、刑務所内の木材で位牌を、砲弾の薬莢(やっきょう)を加工して"おりん"(お鈴)を作り、それらが戦死者の名簿と共に栃木県のお寺に残されています。廣瀬さんはそれを見て衝撃を受けたと言います。「刑務所内で、処刑された兵士に向けて"聞こえるか"と、おりんを打ち鳴らしたのだろうか。最後は僧侶でありたいという想いが迫ってきて、言葉にならなかった」
◇
報告書とそれに込めた思いが戦後78年の今年、多くの人の目を覚ますきっかけになってほしい。再び戦争の足音が聞こえる今、廣瀬さんらの活動は続きます。
私の父は広島で「地獄」を見た―被爆2世・谷本さん。"声を突き付けるのよ"
2023年8月6日号 1面掲載

核兵器禁止条約に背く日本政府に怒り
78年前、広島と長崎に投下された原爆は一瞬にして「この世の地獄」をもたらし、現在も被害が続いています。
被爆者らの悲願が実った「核兵器禁止条約」の署名国が90ヵ国を超える中、被爆国・日本が条約に背を向け、核兵器による脅しを認めていることに、落胆と怒りは強まるばかり。
大津市に住む谷本道子さん(70)も、政府の態度が許せない一人です。最近、これまで語らなかった父(故人)の被爆体験を少しずつ話すようになりました。口下手だった父が伝えたかったことは――。
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谷本道子さんの父・渡慶次恒徳(とけし・こうとく)さんは1916年、沖縄生まれ。戦時中は広島市から約50㎞離れた甲立(こうたち=現・広島県安芸高田市)で炭焼きに従事していました。
原爆投下時の様子を恒徳さんが語った内容を記した一冊の本があります。
六日の朝、(空が)「ピカッ」と光り、ドロドロドロと大地を震わせる音が轟いた。巨大な化け物のような「キノコ雲」が上空に盛り上がっていった。
お昼前になって召集がかかり、甲立駅に行くと、全身焼けただれた人たち二十人ほどが、うずくまっていた。広島から列車が到着すると、負傷者は増える一方である。その日の遅くに連絡があり、翌日から広島に救援におもむくのだという。7~9日、訪れた広島には、すべてが焼け焦げて煤けた死の街が横たわっていた。
(「豚の神さま 渡慶次恒徳の半生」宇多滋樹・著から抜粋)
恒徳さんは残留放射能により、2次被爆しました。
子ども医療費・「高校生だけ拡充」県案に市町から相次ぐ批判
2023年7月30日号 1面掲載

"小中学生は市町まかせか"
県民要望の強い子どもの医療費助成の拡充で、滋賀県が18日、来年度から高校生世代(15~18歳)を対象に加える方針を県首長会議で示しました。しかし、小中学生は対象にしていないため、各市町長からは「いびつな仕組みだ」などの批判が続出。
こうした中、日本共産党県議団が21日、「予算を増やし、18歳まで無料に」と三日月大造知事に緊急要望。また「明るい滋賀県政をつくる会」が同日、18歳までの完全無料化に向けた新たな署名運動に取り組むことを決めました。
「滋賀民報」緊急アンケート・健康保険証廃止「反対」8割
2023年7月23日号 1面掲載

マイナ保険証、"強制するな!!" "問題ありすぎ"
現行の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードとひも付けた「マイナ保険証」を事実上、強制する政府の方針に、県民から憤りの声が上がっています。
「滋賀民報」が13、14両日、県内の駅頭で100人に緊急の街頭アンケートを実施すると、来年秋に保険証を廃止することについて、8割以上が「反対」と答えました。
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保険証廃止には、新聞大手各社も「立ち止まれ」と主張。「滋賀民報」が行った緊急アンケート(13、14両日)には、100人のうち81人が廃止に「反対」と答え、「賛成」は19人でした。
アンケートには、多くの高齢者や障害者から「『マイナ保険証』を使えない」と悲痛な声が寄せられ、「マイナ保険証」取得者も「不安です」と。また、「入所施設での保険証の預かりはどうするのか」(弁護士)、「情報漏洩の責任は誰がとるのか」(会社員)など、制度の欠陥を指摘する声も相次ぎました。本来任意のマイナカードと「マイナ保険証」を事実上、強制する政府には、「利権まみれ、国民無視でひどい」と厳しい怒りの声があがっていました。
死亡事故から1年・冠水の危険、県内に150ヵ所以上
2023年7月16日号 1面掲載

近江八幡市・冠水事故の検証、対策いまだ不十分
各地で豪雨被害が相次ぐ中、滋賀でも最大限の警戒が必要です。昨年7月には、JR安土駅(近江八幡市)近くの地下歩道が大雨で冠水して天井まで水につかり、女性(72)が亡くなりました。
県内を調べると、冠水する危険がある道路は150ヵ所以上。「想定を超える大雨」が頻発する中、事故を繰り返さない対策が急務となっています。
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死亡事故の現場は以前から「局地的な大雨により冠水し重大な事故が起きる恐れがある」(国土交通省)と指摘されていました。こうした場所は県内各地に散在。事故後、県と各市町が対策を進め、事故現場の安全対策は特に強化されました。しかし、県はいまだに「地下歩道が冠水していれば、通常は引き返す」との認識。県管理の歩道は警告看板の設置に留まるなど、事実上、自己責任にしており、対策は十分とは言えません。
ポンコツすぎ!「マイナ保険証」県内の医療機関でトラブル64%
2023年7月9日号 1面掲載

"保険証廃止 絶対やめて"
マイナンバーカードに健康保険証の機能をつけた「マイナ保険証」のトラブルが県内でも多発していることが、県保険医協会の調べでわかりました。
開業医らへのアンケートでは64%が「トラブルがあった」と回答。誤って他人の情報が紐づけられた例も3件あり、同協会は「命にかかわる」「紙の健康保険証を廃止しないで」と訴えています。
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マイナ保険証のトラブルは全国で多発しており、県保険医協会が先月16~23日、会員が所属する医療機関550施設にアンケートを実施。医科・歯科の126施設と8病院が回答しました。
集計結果では、マイナ保険証で患者の保険証資格を確認するための専用読み取り機を導入した115施設のうち、過半数(64%)の74施設でトラブルが発生。資格が読み取れない例(56件)や、読み取っても「無効・資格なし」と表示される例(41件)などが多発していました。読み取れないため、患者に医療費の全額(10割)を請求した例も十数件ありました。
マイナ保険証に関するトラブル【医療機関の声】 県保険医協会アンケートから抜粋
- しょっちゅう機械がフリーズして読み取れない
- 夫婦で生年月日が入れ替わっていた
- 性別・住所の間違い、「資格なし」と表示される
- 多額の予算を使用していると思うが、子育て支援、少子化対策、医療費そのものに回した方がよっぽど患者や国のためではないか。現場無視も甚だしい
- 情報の漏洩は不可避。弱小医療機関に責任を押し付けられても困惑する
※6月16~23日、県内の134医療機関が回答
高校生から怒りの声"知らされてない"・自衛隊に個人情報提供
2023年7月2日号 1面掲載
自治体 | 提供方法 | 対象年齢 | 人数 ( )内22歳 | 情報提供日 |
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守山市 | ラベルシール | 18歳 | 939 | 7月下旬予定 |
高島市 | 紙媒体 | 18、22歳 | 825 (431) | 4月5日 |
東近江市 | ラベルシール | 18歳 | 1,037 | 5月22日 |
合計(3市) | 2,801 |
今月、守山市も。周知は市のホームページと広報のみ
自衛隊が自治体に自衛官募集のための名簿提供を迫る動きが強まっています。
昨年に続いて高島、東近江両市が6月までに若者の名簿を自衛隊に提供。今年新たに守山市が7月中に名簿を提供しようとしていることが本紙の調べでわかりました(表参照)。
岸田自公政権が大軍拡・大増税を進める中、高校生や平和団体からは「知らなかった、怖い」「プライバシーの侵害だ」などと、怒りや不安の声があがっています。
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名簿提供は、自衛隊がチラシや受験案内などを郵送・戸別配布するために各市町に働きかけています。2019年、安倍晋三首相(当時)が自民党大会で、「(自治体の)6割以上が協力を拒否している」と発言したのをきっかけに、市区町村長が住民基本台帳の写しを提出できることを20年に閣議決定。21年には、防衛省と総務省の連名で、防衛相が市区町村長に提出を求めることができるとする通知を出すなど、圧力を強めています。
★続きは紙面で
自民・公明・維新・国民、県内の4党国会議員ら"悪政推進"
2023年6月25日号 1面掲載

今国会、悪法に次々賛成
憲法違反の大軍拡、健康保険証の廃止など、多くの国民の不安や反対の声を切り捨て、悪法が次々と成立した今国会。滋賀県選出の自民・国民民主の国会議員や維新・公明が、主な悪法にそろって賛成する異常さが浮き彫りになりました(表参照)。
内閣支持率が急落するなど岸田政権への怒りが広がる中、県民からは「悪政に突き進む4党は許せない」と憤りの声が上がっています。
◆
日本共産党は、自公維国による強行可決を「まともな審議もなく次々に通されたことは、かつてない重大な事態」と強く抗議。「まるで大政翼賛会という声もある。悪政4党連合と真正面から対決する」と各地で訴えています。
県選出の自民党国会議員は、軍産支援法は「独裁国家に立ち向かい、国の防衛力を高める」(大岡敏孝氏=衆院1区)などと大軍拡を正当化。維新も大軍拡は「大いに賛成」(県総支部代表・井上英孝氏=衆院大阪1区)とけしかけ、国民は入管法が「運用改善に資する」(斎藤アレックス氏=衆院比例)、マイナ法が「行政運営の効率化に資する」(同)などと、県民の不安を一顧だにせず、賛成。7日、同党に入党した嘉田由紀子氏(参院)は、原発5法の採決で欠席して賛否を明らかにせず、入管法は「プラスに働く」と賛成。県民からは「裏切りだ」との怒りが広がっています。
国民健康保険料ズシリ "高すぎる"、"引き下げを"
2023年6月18日号 2面掲載

2023年度、県内6市町が値上げ
物価高騰が続く中、大津、彦根、近江八幡の3市が1日、今年度の国民健康保険料を公表。大津、彦根両市は据え置き、近江八幡市は値上げすることがわかりました。これで国保料(税)を値上げした市は6市町(表参照)に。高すぎる保険料が、都道府県化でいっそう値上がりする事態です。
国保料(税)は住民と日本共産党の運動が実って、2020年~22年の3年間、コロナ禍などを理由に値下げする市町が相次ぎましたが、今年度の値下げはありませんでした。
さらに、コロナ禍で収入が減った世帯への特例減免が打ち切られ、物価高騰にあえぐ業者から悲鳴があがっています。
東近江市で工務店を営む男性(66)は、「仕事は戻りはじめたが、建築資材が高騰して売上げが伸びない。今年は減免もなく、色々な支払いが一気にやってきて、国保料が払えるかどうか」と深刻な実態を訴えています。
子どもの医療費・高島市で18歳まで完全無料へ。"全県で18歳まで早く"
2022年6月11日号 1面掲載

拡充続々、住民と日本共産党の運動が後押し
子育て世代の切実な願いに応えて、子どもの医療費を無料化する市町が増えています。
先月、高島市が8月から18歳までの完全無料化を、草津市は10月から18歳まで助成、野洲市も10月から中学校卒業までの助成を各議会に提案。18歳までの通院費助成は6市町(入院費は7市町)、中卒・高卒までの通院費助成は先月、拡充を決めた守山市を含め17市町に広がります。一刻も早い全県での18歳までの医療費完全無料化が求められています。
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子どもの医療費助成は国に制度がなく、県の制度が就学前までにとどまっていることから、市町が独自に実施しています。日本共産党や住民の粘り強い運動が、県内での拡充を後押ししてきました。
野洲市では、小卒までだった通院費の助成を中卒まで拡充。草津市では、通院・入院ともに18歳まで拡充します。いずれも実施は10月からで、通院の自己負担は残ります。中学まで完全無料にしていた高島市では、8月から18歳まで完全無料に。各議会で条例改正案と予算が可決されれば、県内の医療費助成は、入院費では中卒までが12市町、18歳までは7市町に。通院費は、小卒までが2市、中卒までが11市町、18歳までは6市町に広がります。
拡充する市で高校生に話を聞くと、喜ぶ声が続々と寄せられました。
●高校1年生(15・高島市)「スキー部に所属しているので、ケガの心配もあります。窓口負担がなくなるのはうれしいです」
●高校3年生(17・草津市)「中学生の時、ケガで通院して、親が払い戻しの申請で大変そうだった。申請しなくてよくなるのは助かる」
大津・高島の自衛隊基地「強靭化」―核攻撃に備える!?
2023年6月4日号 1面掲載

大津・隊庁舎建替に26億円(今年度)
駐屯地の周りには、保育施設・学校が多数
「恐い。私の街が攻撃されるのでは」――。
岸田政権が進める大軍拡で、「敵基地攻撃能力」保有などを盛り込んだ「安保3文書」の具体化として、防衛省が核兵器攻撃などにも備えるため、自衛隊基地の「強靱(きょうじん)化」を計画。同省は取材に、県内の陸自大津(大津市)、今津(高島市)両駐屯地と空自饗庭野分屯基地(同)を対象地区に指定し、今年度、大津の隊庁舎建替に26億円などを計上したことを明らかにしました。
県土が戦場化される危険が強まっていることに、周辺住民から不安と怒りの声が出ています。
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基地の「強靱化」は、「防衛力整備計画」の具体化として、核・生物・化学兵器による攻撃や核爆発に伴う「電磁パルス」にも耐えられるよう、全国283地区で基地司令部の地下化や壁の強化などを進める計画。工費は今年度からの5年間で4兆円。防衛省は「(今年度予算に)大津駐屯地の隊庁舎の建替に約26億円」「今津駐屯地の空調設備の改修に約3,000万円計上」と答えました。いずれも基地機能を強化するための整備です。今後、計画を策定し、「順次進める」ことから、工費はさらに膨れそうです。
高時川で続く濁水。スキー場跡地から大量の土砂
2023年5月28日号 1面掲載

福井県境から琵琶湖に注ぐ長浜市の高時川で、昨年8月の豪雨以降、異常な濁水が続き、漁業などに深刻な影響が出ています。
19日、日本共産党県議団と長浜市議団が高時川源流域にあるスキー場跡地で発生した崩落現場を調査。議員らからは「ずさんなスキー場開発が異常な濁水の原因だ」との声が相次ぎました。
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現地調査には、日本共産党の節木三千代、中山和行両県議、髙山亨、鬼頭明男、橋本典子各長浜市議が参加。濁水の状況や原因を調査してきた市民団体「すみつなぐ高時川」代表の子林(こばやし)葉さん(40・長浜市)が案内しました。調査団は昨年の豪雨で崩落したスキー場「ベルク余呉」ゲレンデ跡地を下り、土砂崩れと濁水の状況などを視察。跡地には、リフトの座席が打ち捨てられ、プレハブ小屋にはレンタル用スキー・スノーボードの用具などがそのままになっていました。崩落したゲレンデでは、地中に埋められていた排水パイプがいたるところでむき出しになり、大量の土砂が流れ出たことを物語っています。
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日本共産党は濁水問題の解決を繰り返し県に要望。地元・長浜市区選出の中山県議は、「今後、市議団らと連携し、県に抜本的な対策をとるよう求めていく」と話しています。
★全文は紙面で
甲賀市が誇る・"広島への子ども派遣 やめないで!!"
2023年5月21日号 1面掲載

突然の予算カット。党派を超えて、"復活を"
広島市で毎年8月に開かれる平和記念式典に子どもたちを派遣し続けてきた甲賀市が今年度、派遣のための予算を全額削ったことに市民から驚きと復活を求める声が上がっています。
平和事業として、こうした取り組みは県内で甲賀市のみ。市民らは、「核戦争の危機が高まり、平和や核廃絶を求める声が強まる今こそ、甲賀市が誇る平和事業を続けてほしい」と繰り返し、市に要望しています。
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甲賀市では毎年、市内の各小学校を代表して6年生1~2人、計28人を広島の平和記念式典に派遣してきました。子どもたちは各校がつくった千羽鶴を届け、2日間の日程で広島平和記念資料館や語り部から戦争の悲惨さや原爆被害を学習。帰ってからは、市の行事などで戦争の悲惨さや平和の大切さをアピールしています。しかし、2020年度以降はコロナ禍の影響で式典が縮小されるなどして、派遣事業は中断。今年度、市は当初予算に派遣のための予算を計上しませんでした。
これに対し、日本共産党や立憲民主党など、党派を超えた市議や平和・民主団体がただちに抗議。今月10日にも再び、来月に審議される補正予算に組み入れるよう強く求めました。
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派遣事業は、1991年に合併前の水口町で平和事業の充実を求める住民の声を受けて始まりました。98年からは甲賀町でも実施。合併以降も332人が広島で学んでいます。
要望実る!!子ども食堂に大津と近江八幡両市が直接支援
2023年5月14日号 1面掲載
物価高騰が運営圧迫の中、関係者ら大喜び!!

「滋賀民報」が県内19市町に物価高騰対策を聞いたところ、大津、近江八幡両市が子ども食堂に補助金を出すことがわかりました。食材費や光熱費などが高騰し、運営を圧迫していることから、関係者や日本共産党などが各市町に支援を求めていました。
県内市町の子ども食堂支援
- 大津市=1ヵ所上限5万円。予算175万円
- 近江八幡市=1ヵ所10万円。予算130万円
- 甲賀市=市社協を通じて助成。予算50万円※
- 豊郷町=町社協を通じて助成。予算71万3,000円※
※物価高騰前からの支援措置
「全部おいしい!」。「こどもの日」の5日に移転・リニューアルオープンした、近江八幡市の「スエばぁちゃん食堂」に、子どもたちの笑顔があふれました。参加費は小中学生100円、大人200円。保護者、スタッフらも含めた63人が、豆ごはん、タケノコとフキなどの煮物、酢豚風ミートボール、柏餅のご馳走に大満足。運営代表は「補助金は何に使ってもいいので調理場も広くしました。本当に助かります」と話します。
この日は、市議会で子ども食堂への支援を求めてきた日本共産党の玉木弘子、森原陽子両近江八幡市議も参加。玉木氏は、「物価高騰は子どもの貧困に拍車をかけています。市の支援は、子ども食堂の運営に欠かせません。さらに拡充を求めたい」と話しています。
新型コロナ「5類」になったら…負担増!感染把握も困難に
2023年4月30日・5月7日合併号 3面掲載

新型コロナウイルス感染症が8日から、季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」になります。患者の検査・医療費負担が増し、感染者などへの支援が弱まることに、県内の医療関係者らから懸念する声が上がっています。
感染「第9波」が心配される中、犠牲者を増やさないための対策が求められています(移行後の県の対応=表参照)。
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新型コロナが感染症法の「5類」になると、公費で負担されていた検査や外来、入院に自己負担が発生します。無症状者への検査体制はなくなり、養護学校を除く学校や保育施設が集中検査の対象外になるなど、行政検査の範囲も狭まります。無症状者の検査は全額自費となり、検査機関によっては2万円超。診療所でのPCR検査には最大5,000円ほどの費用がかかると見込まれます。低所得者ほど検査や医療を受けられない事態が想定され、医療や保育関係者は「命にかかわる大問題。公的支援を減らすべきではない」と警鐘を鳴らしています。
「5類感染症」は、感染者や濃厚接触者を把握せず、療養する患者が受けられる支援は極めて限定的です。病院からの発生届はなくなり、県が公表するのは、県内60医療機関での週1回の定点観測だけ。1日ごとの感染者数や死者数、医療のひっ迫状況は公表しなくなります。
設備を整えて入院患者を受け入れてきた「コロナ確保病床」は段階的に減らされます。県は10月からはコロナ禍以前と同じ34床(感染症指定医療機関)のみに戻すことを想定しており、「6月末までにすべての病院でコロナ入院患者を受け入れる体制の構築をめざす」と説明。しかし、医療現場では「コロナは感染力が強く、まだ特効薬もない。設備も人員も限られる現場はいっそう混乱するのでは」と不安の声が強まっています。さらに、コロナ患者を受け入れる病院の経営を支える病床確保料は「5類移行」でいっそう削減されます。
市町議選23日投票・1票争う大激戦
日本共産党 "暮らし・平和守る"
2023年4月23日号 1面掲載
大津市(定数38)、彦根市(定数24)、近江八幡市(定数22)、栗東市(定数18)、日野町(定数14)
大激戦の市町議選が23日、投票日を迎えます。
日本共産党は大津、彦根、近江八幡、栗東の4市と日野、豊郷(補選)両町に14氏を擁立し、国の悪政そのままの自民・公明・「オール与党」、維新と対決。各党・陣営が総力をあげる中、「共産党を伸ばして大軍拡ノーを地方から」「物価高騰から暮らしを守る市政・町政を」と各地で奮戦しています。
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日本共産党は、18歳までの医療費と国保料の無料化、給食費の無償化、国保料・介護保険料の引き下げ、医療・公共交通の充実を掲げ、岸田政権の大軍拡に「戦争で犠牲になるのはすべての国民」とキッパリ反対。16日、来援した同党の小池晃書記局長は、大津市内で「どの候補も議会になくてはならない。必ず全員を議会に」と、最後までの支援を訴えました。
同党が現有5議席の絶対確保をめざす大津市(定数38)は47人が立候補。また、彦根市(定数24・立候補29)、定数2減の近江八幡市(同22・同31)、栗東市(同18・同20)で、それぞれ現有2議席を必ず勝ち取ろうと奮戦しています。4市では、自公に加え、維新5氏(大津3、近江八幡と栗東各1)、参政党1氏(大津)が議席奪取を狙い、激戦に拍車。各党・陣営は「すでに頼んだ人にはもう一度」(自民・衆院議員)と票固めに懸命です。
18日告示の日野町(定数14)では現職1氏と、病気で勇退する現職に代わる新人1氏が気迫の訴え。豊郷町議補選(欠員3)は無投票当選となりました。
子ども医療費助成、住民と日本共産党の運動で前進
2023年4月16日号 3面掲載

「18歳まで完全無料」は4市町に
住民の粘り強い運動と日本共産党地方議員団の議会論戦で、子どもの医療費を無料化する市町が増えています。
今月からは彦根、近江八幡両市と日野町、10月からは大津、米原両市が拡充。子育て世代が切実に求めている18歳までの医療費完全無料化は4市町に広がります(表参照)。
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子どもの医療費無料化は国の制度がなく、県制度は未就学児にとどまっているため、市町が独自に取り組んでいます。入院費の助成は中学校卒業までが14市町、18歳までが5市町、通院費は小卒までが5市、中卒までが10市町、18歳までが4市町(10月からを含む)。
今年度は、近江八幡市が県内の市として初めて18歳まで医療費を完全無料化。彦根市は小卒まで完全無料化、日野町は入院費のみ無料化の範囲を18歳に拡大します。10月には、米原市が医療費を18歳まで完全無料に。大津市が入・通院費助成を中卒まで拡大します。
各市町では、日本共産党議員団が議会質問などで拡充を求め、市民団体も粘り強く求めてきました。
大津市では、新日本婦人の会大津支部が中卒までの医療費無料化を何度も市議会に請願。昨年度は、日本共産党以外の主要会派が反対し、不採択にしましたが、住民の声が市を動かしました。同市に住む、中3と小6の子どもの母親(46)は、「上の子は中学に入ってから受診することが増えました。削ることができない支出なので、中学3年間の医療費助成は家計にとって本当に助かります」と喜んでいます。
県議選9日投票・日本共産党 "大軍拡ノー 暮らし守る"
2023年4月9日号 1面掲載

6候補、気迫の訴え
暮らしと平和がかかった県議選は9日投票へ、各党・各陣営が最終盤の攻防を続けています。
軍拡を推進し、県民に冷たい県政を支える自民・公明両党・「チームしが」など「オール与党」と、自公の悪政を右から引っ張る維新・参政党が総力を上げる中、これに真正面から対決する日本共産党の5選挙区・6候補が気迫の訴え。大接戦を必ず競り勝とうと2日、同党の志位和夫委員長が県内入りし、「現有4議席の絶対確保、5人以上の県議団を」と、総決起と全有権者へ支援を呼びかけました。
◇
日本共産党は、現職の、ふしきみちよ、きのせ明子(ともに大津市区=定数10 )、松本としひろ(東近江市・日野町・愛荘町区=同5)各候補が、それぞれ4人はみ出しの大激戦に競り勝とうと奮戦。定数減の長浜市区(定数3)で中山かずゆき候補が同党の議席維持をめざし、甲賀市区(同)で小西きよつぐ候補が、近江八幡市・竜王町区(同)で井上さゆり候補がそれぞれ他陣営と激しく切り結んでいます。同党は「税金は県民の命・暮らしを守るためにこそ」と訴え、県政「オール与党」との違いを鮮明にして共感を広げています。
◆
日本共産党は唯一、岸田政権の大軍拡・大増税にきっぱり反対し、論戦を際立たせています。一方、自民党は他国の脅威を煽って、憲法違反の"大軍拡予算"を正当化。同党とともに県議会に大軍拡・改憲推進の意見書案を提出した公明党はこれらにダンマリ。維新は、党幹事長が「防衛力強化はもちろん賛同」(27日、東近江市内で)と軍拡を叫び、「チームしが」は、敵基地攻撃能力の保有を「訴え続けて実現」(国民民主党の号外)などと喧伝。参政党は「滋賀の教科書は自虐史観」(候補者)と極右思想を訴え、改憲や核武装を画策しています。
◆
各選挙区では、統一協会と一体の「国際勝共連合」の反共ビラが大量配布され、大津市内では日本共産党のポスターが相次いではがされるなど、悪らつな妨害や異常な反共攻撃が続いています。同党は、「卑劣な攻撃をはね返し、最後の一瞬までたたかい抜こう」と呼びかけています。
物価高騰の中…負担ズシリ・2023年度国民健康保険料
2023年4月2日号 3面掲載

5万円超の値上げも。5市町(長浜・守山・東近江・米原・日野)が値上げ
新年度からの国民健康保険料(税)を各市町に問い合わせたところ、5~6月に保険料率を決める大津、彦根、近江八幡の3市を除く16市町のうち、5市町が値上げすることがわかりました(表参照)。物価高騰が続く中、国・県が「都道府県化」による値上げの圧力を強めており、高すぎる国保料(税)の軽減が統一地方選の大きな争点になっています。
値上げは、長浜、守山、東近江、米原の4市と日野町。そのほかの11市町は据え置きます。最も値上げ幅が大きいのは守山市で、40歳未満で所得310万円の夫婦と就学児2人の4人世帯で試算したところ、年間5万7,700円もの負担増に。16市町の単純平均額は、前年より年1万528円増え、「都道府県化」が始まって以来の大幅値上げです。
値上げの理由について市町は、コロナ禍で基金を取り崩したことなどのほか、「県への負担金が大幅に上がった」ことをあげています。県は新年度、平均で1人当たり1万3,705円上がると試算しており、これから料率を決める3市でも値上げの可能性があります。
こうした中、米原市が昨年度から18歳までの均等割分を給付し、実質無料にするなど独自の支援を実施しています。
日本共産党は統一地方選で、国庫負担を増やして国保料(税)の引き下げ、子どもの均等割の廃止など、負担軽減を訴えています。
"暮らし守る県政へ"、日本共産党6氏奮戦・滋賀県議選31日告示
2023年3月26日号 1面掲載

統一地方選の前半戦・県議選(定数44)が31日告示(4月9日投票)となります。県民の暮らしに直結する県政のあり方を決めるだけでなく、物価高騰で国民が苦しむ中、大軍拡・大増税に突き進む岸田政権に審判を下す選挙です。
各党はすでに総力戦。日本共産党(現有4議席)は、5選挙区に6人を擁立し、「命・暮らし守る県政へ転換を」「全員勝利をめざし、5議席以上の県議団を必ず」と全力をあげています。
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日本共産党は各選挙区で自公・「チームしが」など、県民に冷たい県政を押しつける「オール与党」と激突し、自公の補完勢力・維新の会とも対決。"岸田大軍拡"に反対している唯一の党として、「平和の願いは共産党に」と訴え、論戦を際立たせています。現職2氏が挑む大津市区(定数10)は自民が1増、維新が議席を狙うなど、4人はみ出しの大激戦。東近江市日野町愛荘町区(同5)は過去最多の9人が立候補を予定し、「大軍拡やめよ」と訴えるのは共産現職のみ。定数1減の長浜市区(同3)では、湖北唯一の共産党議席がかかります。新人が挑む甲賀市区(同3)は議席独占を狙う自民と「チームしが」現職が軍拡・改憲・原発推進に前のめり。近江八幡市竜王町区(同3)は現職3氏に対し、同区初の女性県議誕生をと全力。こうした中、各地で「勝共連合」のビラが全戸配布されるなど、反共攻撃が激化。同党は「攻撃をはね返し、希望ある政治を」と宣伝・支持拡大に総力をあげています。
自民は、「県議会で単独過半数を」と26人を擁立(公認・推薦)。19日には、石破茂元防衛相や「安全保障3文書」作成にかかわった佐藤正久参院議員らが県内入りし、他国の脅威を振りかざし、「防衛問題でも批判が多いが、いろいろな装備が必要。今その予算を増やしている」(自民・海東英和県議=同日、大津市内で)などと大軍拡の正当化に躍起です。
公明は、大津市区に現職1、新人1を立てて、全県から運動員を集中。維新は7選挙区に7人を擁立し、吉村洋文共同代表(大阪府知事)のポスターや音声テープを使うなど、「吉村頼み」を強めています。
"原発のない社会を"、膳所公園で「びわこ集会」
2023年3月19日号 1面掲載

東日本大震災・福島第一原発事故から12年となる11日、大津市の膳所城跡公園などで「原発のない社会へ2023びわこ集会」が開かれ、500人以上が参加しました。参加者らは、岸田政権の原発推進路線への政策転換と、それを支持する意見書案が県議会に提案されていることに抗議。「全ての原発再稼働を許さない」などとする大会アピールを採択しました。
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「集会」では、シンガーソングライターの趙博(チョウ・バク)さんがライブ。風刺のきいた歌とトークで会場を沸かせました。嘉田由紀子参院議員、平尾道雄米原市長が連帯のあいさつ。福井原発訴訟、「311子ども甲状腺がん裁判」で弁護団長を務める井戸謙一弁護士が基調報告し、政府による老朽原発の運転期間延長について、「明らかに不合理」と批判。「私たちや子どもたちの命、健康、平穏な生活を守るためには、少なくともこの国から原発をなくすことが絶対に必要」と訴えました。
集会後、参加者らは原発ゼロを訴えてデモ行進しました。
参加した湖南市の女性(73)は、政府の方針転換に「論外です」と怒りをあらわにし、大津市の女性(24)は、「自分たちの子どもや孫のために、原発問題を今のうちに解決しなくては」と話していました。
別会場では、福島からの避難者・青田惠子さんの「布絵展」、中村敦夫さんの朗読劇「線量計が鳴る」の上映会なども開かれました。
老朽原発・運転延長80年超の恐れも。ますます危険に
2023年3月12日号 1面掲載

東日本大震災と東京電力・福島第一原発事故から11日で12年になります。
避難者は少なくとも国のまとめで今も約3.1万人(県内51世帯137人)。実際はもっと多くの人が故郷に帰れずにいます。
ところがこうした中、岸田政権は原発政策を大転換し、安全性は二の次で、原発の60年超の運転や新増設を盛り込んだ法改定案を国会に提出。滋賀に隣接する福井県の「原発銀座」では、80年を超えて稼働する恐れもあり、県民は「事故を忘れたのか」と怒りの声を上げています。
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原発の運転期間は、福島第一原発事故の教訓から原則40年、例外的に原子力規制委員会が認可すれば60年と法律で定められています。政府の改定案は、この規定を削除。延長の認可は原発推進の経産相が行う上、審査などで停止していた期間を運転年数に含めないなど、稼働ありきの大改悪が狙われています。
原発は老朽化が進んだものほど審査や検査に時間がかかり停止年数が長くなります。関西電力・高浜、美浜、大飯の各原発、日本原電・敦賀原発などが林立する福井県の「原発銀座」で、最も停止期間が長いのは高浜1号機で22年余り。経産省は「明らかに電力会社側に責任があって停止している期間は含めない」としていますが、具体的な判断基準は明らかにしていません。60年を超えた原発が制度上、さらに20年以上の延長ができるとなれば、福井県で80年以上の超老朽原発が稼働する危険が現実味を帯びてきます。
「世界の原発の平均寿命は29年。60年超なんて、とんでもない」。元原発労働者で「福井の老朽原発訴訟の会」代表の山本雅彦さんは憤ります。山本さんは、原発の中には交換できない部品、運転していない期間にも劣化が進む部品が大量にあると指摘。「どれだけ問題があっても原発を動かそうとする関電に、お墨付きを与える政府の法案は撤回させるしかありません」と話しています。
逮捕から35年・「日野町事件」再審開始決定
2023年3月5日号 1面掲載

大阪高裁が検察の抗告棄却
「やった!」家族・支援者ら歓喜
大阪高裁の門前で、固唾をのんで見守る人たちに示された「再審開始決定」の幕。その瞬間、歓声が沸き起こりました。
大阪高裁第3刑事部(石川恭司裁判長)が27日、大津地裁による「日野町事件」再審開始決定(2018年)を不服とした検察官の即時抗告を棄却。犯人の汚名を着せられたまま亡くなった阪原弘さん(享年75)の長男・弘次さん(61)は、裁判所の決定文書を高々と掲げ、長女・美和子さん(59)の目には涙が。
逮捕から35年、「事件」は無罪判決へ、大きな一歩を踏み出しました。
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大阪高裁は異例の現場検証を行い、弁護団が提出した新証拠を慎重に審理したと見られます。戦後、死刑や無期懲役が確定した事件で、本人が死去した後に高裁で再審が認められるのは初めてです。
決定では、阪原弘さんを犯人とした確定判決について、合理的な疑いがあるとして大津地裁決定を支持しました。遺体の発見現場での捜査書類には阪原さんが遺体に見立てた人形を持った写真しかありませんでしたが、弁護団の証拠開示請求に伴い検察が提出したネガには、「練習させられた」(伊賀興一弁護団長)ように、人形を持っていない写真が交互にあるなど、信用性を疑問視。また、阪原さんが主張したアリバイを虚偽としたことにも「合理的な疑い」と指摘しました。
高裁前には各府県の国民救援会から約150人が集まり、激励行動。検察が6日までに特別抗告することが考えられ、代表らが大阪高検に出向いて「特別抗告を断念せよ」と要請しました。
大阪高裁の指摘(要点)
- 阪原さんが犯人であることを直接立証する客観的証拠がない。
- 犯人による犯行状況自体を客観的に明らかにする証拠も乏しい。
- 新旧証拠を総合評価し、被害者の死体遺棄など、捜査段階における阪原さんへの引当捜査(現場を案内させ、犯行状況を説明させる)の問題性を指摘。
- 阪原さんのアリバイ主張を虚偽と決めつけて、有罪の根拠とした確定判決の認定に疑問の余地が生じた。
饗庭野での日・インド軍共同訓練、法的根拠なし
2023年2月26日号 1面掲載
県と市、"根拠わからない"
発表からわずか9日後に強行された国内初の軍事訓練に、疑問の声が出ています。本紙が防衛省に問い合わせた結果、今回の訓練は、国会承認が必要な条約も協定も結ばれておらず、法的根拠のない軍事訓練であることがわかりました。
陸上自衛隊の施設である饗庭野演習場を使用できる他国の軍隊は、日米地位協定に基づく協定を締結した米軍に限られます。
インド軍の演習場使用の根拠を聞くと、県や高島市は「わからない」と言い、防衛省は「協定は締結されていない」と根拠法令がないことを認めました。同省は「根拠は我が国の同意」「事故等が発生した際の対応要領などに関する覚書を作成した」と言いますが、その内容は「答えを差し控える」と隠しました。
国内初・高島市で陸上自衛隊、インド陸軍と共同訓練
2023年2月19日号 1面掲載

高島市の陸上自衛隊饗庭野演習場と今津駐屯地で、陸自とインド陸軍による国内初の実動訓練「ダルマ・ガーディアン22」を17日から来月2日まで行うと、防衛省陸上幕僚監部が8日発表。12日、インド兵が饗庭野入りしました。
発表は突然で、住民らでつくる「あいば野平和運動連絡会」や日本共産党などが、「海外派兵のための危険な共同訓練はやめろ」「憲法違反の大軍拡路線をすすめるな」と、緊急に抗議行動を強めています。
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陸自とインド陸軍の共同訓練は、2018年からインドで3回実施され、今回もインドで実施する予定でした。ところが饗庭野への変更が突如発表されたため、地元区長らは「驚いた」「何の説明もない」と憤ります。
陸幕広報室によると、訓練はインド陸軍第5歩兵大隊約40人、陸自第36普通科連隊(兵庫県伊丹市)約190人が参加し、実弾射撃(機関銃・狙撃銃など)、市街地戦闘、ヘリボーン(CH47ヘリ、UH1ヘリ)、指揮所などの個別訓練と総合訓練を計画。休暇中(24日)には、インド兵が寺社やアウトレット(竜王町)にも行くと言います。
目的は「自由で開かれたインド太平洋の維持・強化に資す」ための「インド陸軍との連携強化」。「インド太平洋地域」は、岸田政権が「安保3文書」で「安全保障上の課題が多い」とする地域です。中国と国境地帯で衝突を繰り返すインド陸軍との訓練は、海外派兵を想定した危険な訓練にほかなりません。
滋賀県立3病院「県立のまま継続」―市民の運動完全勝利
2023年2月12日号 1面掲載
「経営の効率化を図る」などとして、県立の3つの病院の「地方独立行政法人化」(独法化)を狙っていた三日月大造知事が7日、3病院の経営形態を県立のまま継続する方針を発表しました。
「県立病院を守れ」と運動を広げた県民が「完全勝利だ」と喜びの声を上げています。
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知事は7日、総合病院(守山市)、小児保健医療センター(同)、精神医療センター(草津市)について、「経営形態の見直しは行わず、現在の経営形態を継続」すると発表。「引き続き県民の期待、付託にこたえられるような病院経営を追求する」と説明しました。
「独法化」は一昨年末、知事が「経営効率を高める」などとして検討していることを県議会で明らかにしました。これに対し、市民団体や住民らが「不採算医療が切り捨てられる」「県民の命の砦、県立病院を守れ」と運動を広げ、日本共産党県議団が議会で「『独法化』はやめろ」と論戦。署名運動も広がる中、昨年12月には病院経営協議会が「経営形態を直ちに見直す必要はない」と県病院事業庁に答申していました。
「独法化」反対の意見書100通を知事に届けた「県立病院の未来を考える会」の田村誠事務局長は県の発表に、「『独法化』を阻止し、県民の病院を守ることができて良かった。さらに県民の願いに応えられるよう県立3病院の充実を求めたい」と話しています。
5時に帰りたいから…?滋賀県議会・質問時間の削減ねらう
2023年2月5日号 1面掲載
1議会 | 年間 | |
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現在 | 30分 | 120分 |
削減案 | 25分 | 100分 |
日本共産党県議団が中止を申入れ
自民など強行の構え
県議会の議会運営委員会(目片信悟委員長=自民)が、議員の一般質問の持ち時間(1回30分)を25分に削減する案を検討していることがわかりました。
これに対し日本共産党県議団が31日、議運と各会派に、「一般質問の発言時間の削減は、県民の声を封じていくものであり、やめよ」と中止を求めました。
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一般質問は、各議員が知事や教育長らに行政全般の施策・方針をただし、改善策などを提案するもので、議員にあたえられた権限。県民要求実現のカギとなります。滋賀県議会では現在、年4回の定例会議ごとに一般質問が各議員1回30分、年120分設けられています。
削減案は、26日開かれた議運協議会で自民党の委員らが提案。各会派で検討した後、8日予定の議運で、2月議会での削減案「試行」を決めようとしています。時間削減の理由を目片委員長は「効率化のため」「(一般質問の日の)4割近くが会議時間(午後5時)を超えている。時間内に終わらないと」と議論は二の次。自民会派以外の議員からも削減を肯定する声が相次いでいます。
議員は、発言の自由が保障されており、質問時間の削減は議会制民主主義の破壊につながります。県民の負託を受けて選ばれた議員が、それに応える議会の場で、自ら質問時間を削るのは、「信義に反する」との批判を免れません。
さぁ統一地方選、"願い実現する議席必ず!!"―日本共産党が大津で演説会
2023年1月29日号 1面掲載

清水前衆院議員訴え、予定候補ら決意
統一地方選の勝利をめざす日本共産党が21日、清水忠史前衆院議員を迎えて、大津市のびわ湖ホールで演説会を開きました。県内各地から貸切バスなどで約800人が参加し、「日本共産党の躍進で大軍拡・大増税の岸田政権ノーの審判を」「住民の願いが実現する地方政治に」と熱気にあふれました。
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演説会では、日本共産党の県議選予定候補と大津、彦根、近江八幡、栗東、日野の5市町議選予定候補を紹介。節木三千代(大津市区)、黄野瀬明子(同)、松本利寛(東近江市・日野町・愛荘町区)、井上佐由利(近江八幡市・竜王町区)、小西喜代次(甲賀市区)の各県議選予定候補が「5人以上の県議団を」と決意を述べ、声援に包まれました。
演説で清水氏は「党候補全員の勝利を」と切り出し、「国葬」強行、統一協会との癒着、「安保3文書」閣議決定、社会保障の改悪など、岸田政権の暴走を告発。「維新」の悪政も示して、「大軍拡と大増税を進めようとしている岸田政権に日本共産党の躍進で『ノー』の審判を下す絶好のチャンス」と訴えました。
続いて「オール与党」県政について、高校や特別支援学校の教育費、老人ホーム数が全国最下位や46位になっていると指摘し、「かつての『福祉の滋賀』は見る影もない。県は国民スポーツ大会に547億円を投入する一方、来年度から生活保護や私学助成などを41億円減らす計画。日本共産党の躍進で『福祉の滋賀』を取り戻そう」と呼びかけました。
参加者は、「今の政治は大企業とアメリカへの忖度ばかり。県議選で5議席の実現を」(会社員・26・近江八幡市)、「戦争を煽る岸田政治に腹が立つ。頑張って」(教員・33・大津市)と話していました。
滋賀県が2023年度予算見積発表。県民の苦境に背
2023年1月22日号 1面掲載
子ども医療費の助成拡大・給食費無償→盛り込まず
PCR無料検査などコロナ対策も→削減
滋賀県が13日、各部局からの要求をまとめた新年度一般会計当初予算の見積要求額を発表しました。
歳入は0.6%減(今年度当初比)の6,403億円ですが、歳出は2.3%増(同)の6,590億円で過去2番目の規模です。このうち新型コロナウイルス対策関連(881億円)では、補正を含めた今年度予算と比べると、41億円も減らしました。
内訳をみると、新型コロナ対策では、PCR等検査無料化事業を6億5,779万円(今年度当初比)、文化芸術継続支援事業を3,952万円(同)削減。県が昨秋、「財源不足」を口実に計画した668件・41億437万円(26年度までの4年間の合計)の削減を盛り込み、生活保護、私立学校への補助金などを削減しています。
一方、県民の願いが強まる子どもの医療費無料化拡充や学校給食無償化の予算はなく、主会場整備などに「ムダ遣い」と批判が強まっている国民スポーツ大会には32億円(総額547億円)、国スポ会場へのアクセス道路建設に2億円(同139億円)、県立高等専門学校設置に1億8,863万円(同101億円)など、大型事業には大盤振る舞いです。
今後、知事査定などを経て、2月県議会に予算案が発表される予定で、「もっと切実な県民要求に応えて」との声が強まりそうです。
新成人らに直撃アンケート・"9条変えないで" 88%
2023年1月15日号 1面掲載

「滋賀民報」緊急アンケート
岸田政権が増税を押しつけ、「軍事大国」へ踏み出そうとすることに新成人は――。各地で「20歳のつどい」などが開かれた8、9両日、「滋賀民報」が会場前で緊急アンケートを実施。8割の若者がきっぱり「ノー」を突きつけました。
アンケートは大津、彦根、甲賀、米原各市の式典会場前で、本紙記者が新成人51人に聞き取り。憲法9条についての質問に、88.2%の人が「変えない方がいい」と答え、「変えた方がいい」(11.8%)を大きく上回りました。
また、岸田政権による軍事費増強(5年間で43兆円)と増税案について質問。「賛成」と答えた人は21.6%にとどまり、「反対」が78.4%を占めました。
調査に応じた新成人からは、9条について「そのままがいい。軍隊はもたない方がいい」(学生・男・彦根市)、「変える必要がない」(学生・女・甲賀市)などの声が続出。軍拡と増税に対しては、「軍拡する時代ではないし、戦争を始めた方が非難される」(学生・男・大津市)、「なぜ軍事費を増やすのか詳しい説明もない」(会社員・男・米原市)などの声が出ていました。
「9条を変えた方がいい」と答えた人からも、「今は増税してまで軍事費を増やす必要はない」(学生・男・甲賀市)と軍拡批判が。
「9条を変えない方がいい」と答えた新成人の数は、本紙による昨年の同様調査(81%)を上回りました。
"さぁ、統一地方選の年!!"、住民の声が届く県・市町議会に
2023年1月1・8日合併号 1面掲載

今年は統一地方選挙の年。県議会議員選挙(定数44)が4月9日投票、市町議会議員選挙(大津、彦根、近江八幡、栗東、日野)が同23日投票で戦われます。
県議選で日本共産党は大津市区(定数10)、東近江市・日野町・愛荘町区(同5)、近江八幡市・竜王町区(同3)の各区で予定候補計4氏を決定し、他の選挙区でも擁立を予定。5議席以上を獲得し、県民の願いに応えるさらに強固な県議団の実現に全力をあげています。予定候補に語り合っていただきました。
"憲法生かし、県民が主人公の予算に"、日本共産党が滋賀県に2023年度予算要望
2022年12月25日号 1面掲載

日本共産党滋賀県委員会と同党県議団が14日、「2023年度 滋賀県予算にあたっての緊急重点政策要望」を三日月大造知事に手渡し、要望しました。
要望は、県民の切実な声に基づいて作成。憲法と平和、新型コロナ対策、福祉、教育、営業など9つの柱からなる111項目です。
提出後、節木三千代議員は「平和と暮らしを破壊する岸田政権の軍事費2倍、大増税に県知事として反対の表明を」と要求。また「国スポ」など、財政を圧迫している大型公共事業について見直しを求めました。
杉本敏隆議員は「統一協会とはきっぱりと関係を断ち、けじめをつけるべき」と指摘。寄付金の返還とイベントの後援の取り消しを求めました。また、大野和三郎県議の食肉処理に関する不当要求問題に触れ、「議員のパワハラから職員を守る手立てを」と求めました。
松本利寛議員は交通政策について、同党が発表した「政策提言」を紹介。県民に負担を押しつける交通税の導入に反対しました。
黄野瀬明子議員は「養護学校の新設が喫緊の課題」と訴え。「検討だけでなく、早急に分離新設の決断を」と求めました。
三日月知事は「しっかりと要望を見させていただき、どう反映できるか整理したい」と応じました。
コロナ第8波・介護現場から悲鳴。施設内に「留め置き」過去最多166人
2022年12月18日号 1面掲載

集団感染が頻発
新型コロナ感染「第8波」が猛威をふるう中、陽性と診断されても入院できずに介護・福祉施設などに留め置かれる患者が、県内では過去最多の166人に上っていることが厚労省の週報(7日時点)でわかりました(グラフ参照)。
県は「病床ひっ迫時などにはやむを得ない」などとしており、命を脅かしかねない国・県の姿勢に県民の怒りが強まっています。
◇
先月から拡大しているコロナ「第8波」。1日の新規感染者が連日1,000人を超え、病院や保育所、学校、障害者施設などでクラスター(集団感染)が多発。特に介護関連事業所では1ヵ月半で、70例以上のクラスターが報告される深刻な事態です。
一方、県は「医療資源のさらなる重点化を」との国の指針に従い、入院を厳しく制限。コロナ病床の最大確保数は、9月時点の518床から17床も少ない状況が続いています(12日現在)。
国が示す「重点化」によって、陽性と判定されたのに介護施設内で療養を強いられるケースは、「第7波」を上回る勢いです。「第7波」では最大134人の陽性者が施設内に留め置かれ、施設従事者からは「容体が急変したらどうするのか」、「病院ではないので隔離ができない」、「人手が足りない」と悲鳴が上がっていました。